2010年12月24日金曜日

1st AIR Pneumo Course in Japanへ向けて

タイから帰って早々、私は東京に滞在して第1回日本AIR Pneumoの打ち合わせのために順天堂大学付属順天堂医院に訪問してまいりました。第1回日本AIR Pneumoをするにあたっては立地や設備などいろいろな条件をそろえないといけないのですが、有りがたいことに順天堂大学のご協力のもと、場所は確保できそうな運びとなっています。場所が決まれば次は設備なのですが、ここで生じてくるのがシャウカステンの問題です。現在もう日本ではモニタ診断が主流で、シャウカステンはどんどんなくなってきています。まぁ現実には病院、大学のあちこちにいくつかは残っているのでしょうが、基本的にはモニタで見るようになっています。ところがじん肺のレントゲン読影はいまだにシャウカステンを使用するのが基本ですし、国際的なじん肺のILO分類も日本のじん肺分類も基準写真がアナログ撮影のものになっています。日本では現在滋賀医科大学の村田先生を中心にデジタル化がすすめられ、国際的にはILOやNIOSHがデジタル化を進めようとはしていますが、先日訪れたタイなどでもまだデジタル化はなされていないなど、国際的なギャップもあり、思うように進んでいないのが現状です。特にじん肺は労災法といった法律や保障といったお金の問題も絡んでくるので難しいようです。
そんなわけでAIR Pneumoも現在シャウカステンベースで執り行われており、日本での第1回AIR Pneumoもシャウカステンで行われる予定です。でも現在日本でシャウカステンはもはや絶滅危惧種のため、シャウカステンを集めるのがまず第一問題で、第二に大量のシャウカステンを配備したときに電源が耐えられるかというのも問題になります。そのあたりも含めて、今回協力いただいている順天堂大学の放射線科助教の鈴木先生とコニカミノルタの岡本さん、横田さんに集まってもらっていろいろと相談をしてきました。
とりあえずまだ若干の問題はあるかもしれないものの、私としては実際に会場候補となる場所もチェックしてイメージも固まってまいりました。順天堂大学の方々やコニカミノルタの方々からも非常に温かく協力的な対応をしていただき、感謝するとともに、是非成功させないといけないと心を改めることができました。

たろう

2010年12月23日木曜日

Final day of 2nd AIR Pneumo in Thailand

いよいよ第二回AIR Pmeumo in Thailandも最終日。この二日間の成果を生かして読影試験に臨んでもらう日です。試験用のフィルムを配布して、各自1枚3分を目安に読影をしてもらっており、試験なので参加者も真剣そのもの。決して難関な試験ではないはずですが、難関でなくても試験は試験、タイ国民のまじめさも出ているのでしょうか、みなさん真剣そのものでした。

試験が終わった後、今後のAIR Pneumoの改善のためにも参加者の皆さんとコースの感想と、内容についてのディスカッションをした後、最後にみんなで記念撮影をしました。
でもそのあとも仕事はあります。特に大変なのはフィルムの管理、枚数を数えて欠落がないかチェックしてしまう。その作業はやはり昨日も出てきたLadaのところの美人3人のスタッフがしてくれていました。

いや、試験の裏でAIR Pneumoの今後に向けて会議したり、コース終わった後も会議したり、どこまでも会議したり・・・下働きだけじゃなく、ちゃんと偉い人々も仕事していますが、結構疲れた会議だったので、今日は思い出したくないので割愛します。

たろう

2010年12月22日水曜日

2nd day of 2nd AIR Pneumo Course in Thailand

本日はAIR Pneumo二日目。24名の参加者たちが読影訓練にいそしむ中、私は・・・昨日の会議の取りまとめやら、明日のプレゼンの準備やら、フィルムデータの確認整理やらで、全く講習会に参加してる気配がない一日でした。日下教授も写真のごとく、講師の方や参加者の方と研究の話などをしたりと、大忙しの様子・・・って人ごとではないのですが。ちなみに1枚目はタイのB Readerの一人NITRA先生、二枚目はインドから参加のShishodiya先生とベトナムから参加のTao先生です。Shishodiya先生、どうして受講者?って思うぐらい偉い先生なんですが、そう思うのは私だけじゃないらしく初日から確かPonglada先生に「受講生って座ってるけど、そんな立場の人じゃないんだから教える側もやってね」みたいなことを自己紹介か何かの時に言われてました。
そんな私たちを尻目に講習会は淡々と進んでいきます。講師陣はタイのBリーダーの面々が中心に菅沼、Igorといった国際的な専門家もそろっているので講習会は任せて安心です。

そしてこのような会を行うには欠かせないのは講師以外の運営スタッフ。タイでの講習会ではCentral Chest InstituteのNo.2であるPonglada先生のスタッフが毎回手伝ってくれております。入れ替わりも時々ありますが、今回の会議を手伝ってくれたのはこの写真のお三人方、左からNaam, Pui, Prau。AIR Pneumo講習会のための各種資料の準備・作成・管理はおろか、私や日下先生のあまたの面倒そうな依頼を素敵な笑顔で処理してくれ、大変助かりました。

2010年12月21日火曜日

1st day of 2nd AIR Pneumo Course in Thailand

第2回目のAIR Pneumoがいよいよタイで開催された。会場はCentral Chest Institute(旧名Chest Disease Insititute)である。タイに加えて、日本やベトナム、インドの方を含めた合計24名の参加者とタイのNIOSH B Readerの先生方、AIR Pneumo Comitteeの講師たちと、現地Central Chest Instituteのスタッフの方々、大規模なイベントとはいえないかもしれないが、それでもかなりの人がこのAIR Pneumoのために集まってきている。フィルムだけ見ても写真のとおりである。レントゲンフィルムを持ったことのない一般の人や、もしかするといまどきモニタ読影が主流なので若い医師もわからないかもしれないが、レントゲンフィルムは結構重たいので、この段ボール箱たちの重量や・・・これらを運ぶだけでも一仕事である。

講師陣の一人であるILOのIgorが天候の問題で到着が遅れたため若干プログラムの変更を余儀なくされたが、初日はつつがなく終えることができた。初日の講習会が終わってからAIR
Pneumoの今後についてCore memberとして日下、菅沼、Igor、Lada、Kiat、Shishodiya、Paulらが集まって会議も行われ、有意義かつ活発な議論が交わされた。


最後に初日参加してくれたタイの講師陣とのワンショット。日下・菅沼の両先生は所用で不在(偉い先生はあちこち呼ばれて忙しそうです)だったため、お二人はこのときいませんでしたので映っておりません。講師陣の向こう側では参加者たちがフィルムを自分たちで読影中です。

2010年12月19日日曜日

第13回感作性物質小委員会会議

さて、土曜と日曜、泊まりがけで東京で会議。日曜日の昼にはそのままタイに向けて出発するハードスケジュールです。おかげで仕事もいっぱいたまって混乱気味なのか・・・朝スーツを着ようと思ったらカッターシャツがありませんでした。まぁだからといってポロシャツにスーツのジャケットとスラックスというのもかっこ悪いので結局普段着で参加させてもらいました。参加しないよりはまし、ということでご容赦いただける先生方の皆様に感謝の念が堪えません。
とまぁ私の失敗談はともかく、今回も感作性物質に関して議論をしております。これまでは主に新分類基準の作成が中心でしたが、ようやく分類基準はある程度まとまったため、個々の物質の分類の再検討に入っております。今までの議論の成果としての新分類基準については産業衛生学会の「許容濃度等の勧告(2010
年度)」の中の「�.感作性物質(暫定)」にまとまり出版もされましたので興味のある方はそちらも見てもらえるとありがたいです。(Googleで「許容濃度等の勧告」とかで検索かけるとPDFが出てきます)
分類基準策定ということで一つの到達点は見たのですが、仕事というのはすればするほど増えるもの・・・。新たな分類基準での感作性物質のリストアップ作業ということで、MAK(ドイツにおける感作性等の検討をしているところ)やNITE(日本の製品評価技術基盤機構という組織、やはり化学物質の安全管理という側面から感作性も含めて情報を取りまとめている)などの他の類似・近縁の組織でのリストアップされている物質などについて、我々の分類基準での検討が本格的にはじまりました。まずは今まで分類基準作成の中でやってきた物質について、完成した分類基準での評価を行いはじめたのですが、意外にここでも様々な議論が出てきました。分類基準作成の初期段階での構想されていたものと、現在の完成したものでは少し違っているため、再度論文を読み直さないと評価が確定しづらい物質も出てきたためです。こういうときに役に立つInternet。数人の先生(大槻先生、土橋先生、私)あたりがノートパソコンを開いてPubmedなどに接続、議論しながら議論内容についての情報の収集も並行しています。そうやって現在新たな分類基準での分類確定作業が進められています。また前の会議のときにちらっと書いたQSARについての検討も行われました。
最後にそのQSAR関係、ということで、EuroQSARという学会に参加した湯田さんより学会報告がありましたが、気になったのは前回(?)のEuroQSARの話でした。豪華客船で地中海クルーズして地中海沿岸の主要都市を回りながら学会って、そんな豪華な学会ありですか?っていうかそんな豪華な学会・・・参加費いくらするんでしょう?

参加者:日下幸則(福大)、宮川宗之(労安研)、竹下達也(和医大)、佐藤一博(福大)、青山公治(鹿大)、上田厚(熊大)、梅村朋弘(福大)、大槻剛己(川崎医大)、鹿庭正昭(国立衛研)、亀尾聡美(群大)、原田幸一(熊大)、田村太朗(福大)、土橋邦夫(群大)、福島哲仁(福島県医大)、皆本景子(熊大)、山下邦彦(ダイセル化学工業)、吉田貴彦(旭川医大)、柴田英治(愛医大)、湯田浩太郎(インシリコデータ)、シロイ(富士通)

2010年12月16日木曜日

研究打ち合わせ@大阪

今週末から東京、タイと不在が続く予定ですが、その直前にも関わらず火曜日に大阪へ行ってまいりました。夏休みに勉強のために一緒に統計解析をしてくれた学生さんと一緒に、そのデータベースについて私が連絡をとっている近畿中央胸部疾患センター内科部長の川口先生に会うのが目的です。件のデータベースによる解析の今後の方針について相談するのとともに、学生さんを紹介させてもらいました。
私にとっては前任地でもあるので知った顔も多いのですが、もう3年も経ち、知らない顔もだいぶ増えておりました。滞在時間が短かったため、かつてお世話になった先生方のうちごく一部にしか会えませんでしたが、何人かには挨拶できましたし、川口先生との研究に関する話も充実していたのでなによりでした。
学生さんにとっても研究のディスカッションを横で聞いてもらうとともに、川口先生より研究や臨床の話を聞けたことは良い刺激になったようでなによりでした。
さて、今週末はGHS関係で東京で会議、来週前半はタイでの第2回AIRPneumo、来週金曜日には日本に戻ってきて東京で日本での第1回AIR
Pneumoの相談と、年末の仕事(出張)ラッシュが続きます。極力余裕を見て逐次ブログは更新していきたいと思っていますが、このハードスケジュールの中、いったいどうなることやら・・・

たろう

2010年12月10日金曜日

医系技官の道に関心のある方へ

本日は予告通り昼食会「医系技官の道に関心のある方へ」を執り行わせていただきました

現在厚生労働省から福井県に出向しておられる一戸先生と福井大学の出身で小児科医から国際協力という経歴を経て現在故郷若狭に帰ってきて保健所長をしておられる四方先生、そして福井県の地域福祉課の柿木課長さんの3名を交えて学生さん(医学科4年生)12名とともにお昼ごはんを食べながら非常にフレンドリーかつ楽しく交流できたと思います。
なかなか普通は話題にしづらいこと、勤務状況の実際や、給料のことなど卑俗なことも忌憚なく答えていただくとともに、行政の側としての仕事への熱い想いもきちんと伝えていただきました。
現在福井大学出身の医系技官は一人もおらず、福井県内の医官も不足している状態です。医師不足、医療崩壊の話は臨床だけではないのが現実で、改善のためにも行政の側で頑張ってくださる医系技官の方々も必要になってきます。今回の昼食会を契機に、日本全体、そして福井県のためにも行政に興味をもつ医師が少しでも増えてくれることを期待しています。

たろう

2010年12月3日金曜日

予告:医系技官の道に関心のある方へ

医学生の進む道というのは圧倒的に臨床医が大多数なわけですがその他にも様々な進路があります。研究の道に進む人もいますし、医系技官として行政の道に進む人たちもいます。とはいえやっぱり圧倒的少数派な臨床医以外の道、臨床の方でも医師不足が叫ばれ医療崩壊が言われておりますが、医系技官、保健医療行政の場でも医師不足は深刻です。ということで医系技官、保健医療行政に少しでも興味を持っている医学生・医師に向けて説明会を予定しています。本音で話せる場にしたいと思っておりますので普段聞けないこと聞きづらいこともどんどん聞いてもらいたいと思っていますので後日ここでの報告には書けないような話になることを少し期待しております。

たろう

2010年11月27日土曜日

臨床研修指導医講習会

本日27日と明日28日の二日間、卒後臨床研修指導医講習会に参加している。ついこの間まで研修医だった気がするし、今でも自分のことを省みて指導にたるかといわれると自信はないが、いつの間にやら卒業してから・・・8年とか9年とか経ってしまっている。実際には今現在、臨床研修医を指導する機会はないのだが、これもいい機会だし、医学生の指導はしているのでそちらにも役に立つことがあるだろうと参加した。ちなみにディレクターは当福井大学の名物教授(?)の一人、寺澤秀一先生。そのディレクター寺澤先生を中心にその他タスクフォースの先生方、お世話をしてくださった事務の方々、そして聴衆としてお集まりの先生方も含めた協力のもと、こまかやかな細部への気配りで楽しい場を作ってくださっているのがよくわかり、まさに楽しさこそが大事なのだと思わせる時間であった。
しかしこの講習会、参加することで厚生労働省にも認められた証書が出るらしいのだが、そのためには参加者・講師の写真も撮影して証拠写真として提出しないといけないらしい。まぁ不正があるといけないのはわかるが、私個人的には、なんとなくお役所はいやだな、と思わせる対応だな。

2010年11月11日木曜日

2010年10月29日 講義資料追加~演習問題回答

前回の講義の時演習問題ということでいくつか問題をプリントに出させてもらったが、計算そのものは小学生レベルの問題なので、大学生にさせるのも失礼と思い割愛したが、回答を用意しないのも、これはまた失礼なことだし、学生さんたちより強い要望(?)があったので回答を用意しました。
人年法を使った有病率・罹患率・死亡率と、年齢による死亡率の標準化についての演習問題と、コホート研究と症例対照研究におけるリスクの評価についてです。



2010年11月12日1限 講義資料

2010年11月5日金曜日

第51回日本肺癌学会総会

昨日、一昨日と広島で行われた日本肺癌学会に参加してきました。共同演者である帝京大学江口先生と関先生を中心としたJGSARD研究のベースライン結果の発表です。実に9810名の一般住民に対して胸膜変化の所見を調査しているこの研究の最終結果は論文としての公表待ちですが、現時点での途中経過的な解析が中心となりました。居住歴・職業歴・胸膜プラーク(胸膜変化)の出現率についての解析結果でしたが、あまりにも多数の情報があるため、規定の発表時間5分の時間内では限界がありました。
さて、私の発表のことはともかく全体的なことですが、非常に多数の人が集まる中、意外に狭かった広島国際会議場、休日でもあった3日の昼前後はすごい人でした。広島といえば国際的にも有名な都市(のはず)だし、もっと大きい会場なんだと思っておりました。いや、こんな狭いところで最初から収まるわけ無いんじゃ、隣のつながってるあの建物とかも借りればいいのに・・・とか思ったら、その建物は平和記念資料館だそうで・・・・幼稚園児時代に訪れて以来二度と近づきたくない原爆資料館ですが、なんとなく記憶と違う気がします。でも近づきたくないし思い出したくもないので(怖いから)、中に入って確かめたりはしませんでした。
ということであまり広くなかった国際会議場の中に人がひしめきながら今回は主にCT検診関係を中心に見させていただきました。しかし裏でいくらでも聞きたいセッションがあって、特に中皮腫のセッションはあまり聞かなかったことを後悔しております。
そのほか、以前近畿中央胸部疾患センターでお世話になった先生方にもいくらかお会いでき、ご挨拶等できたこともよかったことです。

2010年10月27日水曜日

研究会2010年10月26日

本日のテーマは「呼吸循環機能の加齢に伴う変化について」
ジュニア、社会人、マスターズの陸上の中長距離選手の運動負荷試験の結果についての発表。既に私が覚えているだけでも3回目だったかと思うが、精力的に次々と意見を取り込んでいただき解析を進められておられる。データを解析しているといろいろなことに気づき、さらに解析を進めたくなるのは人情だが、そろそろ解析は終了してまとめの時期というところだろうか。
もっとも理想的には解析どころかデータ収集前にきちんとしたプランを立て、それに沿った解析で綺麗な結果を得て発表したいものだ。

発表者:井口文雄先生
参加者:日下、佐藤、平井、梅村、田村

2010年10月20日水曜日

研究会2010年10月19日

昨日は研究会でした。研究会もお休みも交えながら一応開催はしているのですが、ブログへの掲載が滞っております。
ここ直近二回はともに私が関係しており、前回10月12日は私自身が「悪性胸膜中皮腫のCT読影ガイドライン」なるものを発表させていただきました。
昨日は、8月、夏休みを利用して、私の元へ疫学や統計の勉強をしにこられた医学科の6年生荒尾君に発表してもらっています。内容は肺がんの予後因子の検討ということです。
ひとつは荒尾くん自身が仮説を立ててもらった「化学療法の進歩だけじゃなく、その他の全身状態管理の進歩についても予後の改善因子となっているのではないか」という視点から解析してみました。もっとも全身状態管理の進歩というのが漠然としていることと、そのようなデータが手元にないという現実もあって、1990年代と2000年代で、治療されていない人たちの予後を比較してみよう、ということをやってみたのですが・・・。選択バイアスがかかってしまってどうも綺麗には結果が出なかったというのが現状でした。
もう一点は非喫煙者にくらべて喫煙者の予後が悪いのはわかっているのですが、そこからもう一歩推し進めて喫煙量と予後の関係について検討したもので、まぁこちらはそれなりに綺麗な結果が出た気がします。
いずれにせよせっかく勉強してもらった成果発表として当研究会で発表しましたが、できれば荒尾くん自身にどこかの学会で発表してもらおうかな、と思っています。もっとも肺癌学会は来月頭で、すでに抄録締切りは終わっており、どこにいつ出すかは彼自身の進路のこととも考えながら、とは思っています。
学生さんの発表ということで指導的な質問もいただきながら、彼自身勉強になったのではないかと思います。
さて、この調子で来年・再来年と研究や疫学・統計に興味をもった生徒が自主的に学びに来てくださると非常に嬉しいのですが。

たろう

2010年10月13日水曜日

訃報:細田裕先生



ずいぶん間が空いてしまいました。
一応研究会のこととか、先週末の村田班の班会議のこととか、ネタがなかったわけでもないですし、研究会の写真なんかもあるにはあるのですが、とりあえず、ここ最近の一番大事な出来事として、細田先生がお亡くなりになった件についてが触れないわけにはいかないと思います。
先週訃報をいただき、木曜日にお通夜、金曜日に葬儀ということで、ちょうど前述の村田班(じん肺デジタル標準写真)の班会議に参加するために東京へ行く予定だったこともあり、志田先生とともに参列させていただきました。
私個人は一昨年から胸膜斑すべてという連載を通じて短い期間でしたが一緒に仕事をするとともにいろいろ勉強させていただきました。当教室日下教授も大変お世話になったと伺っており、何より日本のじん肺研究を語る上で欠かせない業績を残されている先生ですので、じん肺研究に関わっている当教室があるのも細田先生の業績の上、といってもいいかもしれません。また非常に紳士然とした趣のある方で、今年の産業衛生学会に花も贈っていただきました。写真はそのときのものです。
私は会議のために中座させていただきましたが、恙無く儀式を終えられて、安らかに眠っていただいたものと信じております。
月並みですがご冥福をお祈りしたいと思います。

2010年10月2日土曜日

環境ISO市民公開講座

今日は当教室の日下教授を筆頭とする環境ISOの市民公開講座が福井大学文京キャンパスで行われました。特別講演として「チーム・バチスタの栄光」の作者である海堂尊先生にもご講演いただき、非常に楽しくお話を聞かせていただくと同時に、そのご高名から多くの聴講者もいただけました。
その海堂尊先生自身も勧めておられるAi(Autopsy
Imaging)の意義と展望についての話は非常にエキサイティングかつアグレッシブでしたが、当福井大学で発足したAiセンターについても高い評価をしていただけました。もっとも私のやったことではないのですが・・・。
その他としても今回は感染がテーマということで今まさにニュースを賑わせている「多剤耐性アシネトバクター」を含めた院内感染や、AIDS、結核、昨年猛威をふるい今年もまた話題に登り始めているインフルエンザについても各専門家の先生方におはなしいただきました。
今後も福井大学として市民公開講座として誰でも参加できる講座を開催するので、多数の来訪者があることを希望します。

・・・・でも海堂尊先生並にネームバリューのある人がよべ・・・・るのかな・・・?(ぼそっ)

たろう

2010年9月14日火曜日

富山県医師会 産業医リーダー研修会

本日は夕方より当教室日下教授とともに富山まで出向いて富山県医師会の産業医リーダー研修会の講師を務めさせていただきました。多数の参加者に来ていただきました。テーマはICOERD(HRCT国際分類)とその補遺としての悪性胸膜中皮腫の読影ガイドラインを用いた読影訓練でした。あいも変わらずの私の悪い癖が出て、ああいった場では緊張からかやはり早口気味になり、駆け足で話をしてしまった気がして反省しております。それでも昔に比べたらだいぶ落ち着いて話せるようになったか、とはおもうのですが。それでも、時間も限られているため症例も1例はきちんと読んでいただけましたが、もう1例はほとんど説明するだけになってしまいました。今後増えてくるであろう悪性胸膜中皮腫、先日のIMIG(国際中皮腫学会)の経験も生かして私もまだまだ勉強していかなければならないな、と決意を新たに頑張っていきたいと思います。

たろう

2010年9月5日日曜日

第12回感作性物質小委員会

先週はずっと京都と福井を往復しておりましたが、週末は感作性物質にかかわる会議のために東京へやってきています。
前回の会議からの経過の報告の後、佐藤先生(福井大学)、皆本先生(熊本大学)、亀尾先生(群馬大学)の3名の先生がドイツ・オランダへ訪問しての現地の先生と交流の結果報告が行われました。ドイツでの感作性物質の分類をしている先生方からレクチャーを受け、様々な専門的な情報を頂いて帰ってこられ、その内容とともにドイツ・オランダでのドイツ薬事博物館の観光(?)の話など楽しいお話を十分に聴かせていただきました。また以前の本会議の話にも出てきたQSARの話についても、感作性予測をよりよくするために、ソフトウェアの見地からの話と提言(おもにバージョン間の整合性の問題が出てきているようです)や新規物質の選定の話、そして対象物質の制限の話(すべての物質を取り扱うというのは夢物語、金属物質や錯体、分子量が極めて大きな物質などは取扱がかなり難しいらしい)など新たな話が出てきており、困難なところも多いが、それだけに面白い話となってきているといえるだろう。

ときに話は変わるが日本は治安がいいため、海外に出たときには様々な犯罪に気をつけないといけないというのはよく聞く話。詐欺やぼったくりに遭ったという話とともにすりの話もよく聞きます。でも正直私はすりの手をはたいて追い返したという話は今日初めて聞きました。さすがに隙がないな、と思いました(誰のことかは一応伏せておきます)

2010年9月3日金曜日

IMIG終了

長きにわたるIMIGもようやく終了。まぁほとんど仕事の関係で参加してないような気もしますが運よく大事なところはチェックできた気がします。クボタショック以来知名度がぐんと上がった石綿問題と中皮腫。今後増加してくると予想されていることもあり、まだここしばらくは大きなトピックの一つとなると思われます。
今日の午後からは公開市民講座が開かれて、一般の人にもわかるように石綿とそれによる疾患について話があるものと思われますが・・・残念なことに別のスケジュールを入れてしまい参加できませんでした。
今回国際学会で公用語英語であり、WebPageが英語だったせいで見落としたのかもしれませんが、若干IMIGの詳細プログラムの情報の出方が悪かった気がします。もっとも事前登録などもせず、中枢メンバーでもないので、流れてくる情報なんてそんなもの、なのかもしれませんが・・・・。
そういえば11月に広島で行われる第51回日本肺がん学会にも参加予定で、つい先日学会発表の採択通知が来ました。そっちの事前登録等の情報もまだ出てきてませんね。

2010年9月2日木曜日

IMIG2010にて

今日も外来を終えた後に京都までやってきてIMIG2010に参加しております。そんなわけで今日は時間的になんとかPanel DisccusionのLegal Aspectを傍聴するのがやっとです。裏で行われていたCarbon nano
tubeの話も気になってはいたのですが、とりあえず今回は勉強、それも今私が知っておくべき内容を優先ということで、立場的にLegal Aspectの方を優先しました。昨日は昨日でImagingの話をちらっと聞いた後、私も参加させていただいているJGSARD研究の発表があるScreeningのセッションを傍聴し、真面目に勉強をしており、福井と京都をいったりきたりですが有意義な一週間となりそうです。AIR Pneumo CommitteeのメンバーであるPaulにも思いもかけず会うことができましたし。
さてIMIGも明日のサテライトシンポジウムで終了となりますが、午後からは市民公開講座が予定されている様子。この午後2時から4時の市民公開講座、これも覗くかどうか今悩んでおります。とりあえず明日は明日の風が吹くということでまた電車の時刻等を調べたうえで決めていくつもりですが、今日はとりあえず大阪の友人に会いに行くことにしました。

しかし・・・サテライトシンポジウムの内容全然わからないし、誰に聞いても知らないって言われるんだけど・・・何するんでしょうか・・・

2010年9月1日水曜日

教室員集合写真

さて、昨日の日記にも書いたとおり私は今中皮腫に関する学会にいって勉強をしているのですが、今日は大学の方で用事がありました。毎年この時期にある6年生の卒業アルバムのための各教室の集合写真の撮影です。今年の6年生は私にとっては初めて実習を受け持ち、講義もした思い出深い学年でもありますし、何より学会どうしよーかなーと悩んでいる間に予定を組まれてしまって、大丈夫ですよーって言っちゃったので、やむなく京都から福井に戻ってまいりました。京都福井間ならまぁなんとか日帰りする気も起きます。
ということで現在の教室員一同です。たまたま研究生の先生も数人来られていたので一緒に写真撮影に参加していただき結構大所帯となっています。近々プロフィール画像もこちらに変えようと思っております。

しかしいまどき学生さんが自分でデジカメで撮るんですね・・・?集合写真って業者に頼んだりしないのだろうか・・・?自分たちの集合写真だけは頼んでいるのかな?

たろう

2010年8月31日火曜日

IMIG2010


ベトナムの話はともかくタイの話については触れないままIMIG2010の日を迎えて参加しております。
IMIGはInternational Mesothelioma Intrest Groupの略で中皮腫に関する国際学会で、京都で行われております。
最近自身の専門領域の不勉強を痛感させられることしきりで、スケジュールや費用などいろいろな点で参加するかどうかつい先日まで悩んでいたのですが結局参加することにしました。スケジュール的に明日・明後日と福井で用事(卒業写真用の写真撮影と外来)があるために福井と京都を行き来することになります。しかし本日8月31日はなんとか一日時間がとれて京都にいれる上に、ずっと教育講演ということで、とりあえず一通りのことを勉強するためにはきっと有意義だろうと思い参加しております。
ということで今中皮腫の発生源となる中皮細胞の性質や、原因(誘因)となる石綿の発がん性に関する話、中皮腫の診断(BioMarker)、治療(化学療法、免疫療法、遺伝子療法)、画像、手術とここまで聞き終わりました。残りは総括となっていく集学的治療の話とヨーロッパでの治療ガイドライン、最後には先日ベトナムでお会いした高橋先生の講演を聞いて終了です。

しかしIMIG、国際中皮腫学術会議とか訳すとかっこいい気もしますが、一瞬Interestなので国際中皮腫大好きグループとか言ってみたくなるのは私だけ・・・・?国際中皮腫同好会とか・・・いや、言うまでもなく中身は偉い先生たちの立派な学術集団ですけど。

2010年8月12日木曜日

MOH/ILO Training Workshop, Hanoi, Vietnum まとめ

結局最終日まで更新とばしてしまいましたが、一応簡単にまとめておこうかと思います。
1日目のところでも書いたとおりWorkshopとしては前回KoreaでのWSと基本は同じでしたが、今回はベトナム語通訳のために1センテンスごとに間が入るために若干時間が延びがちでしたが、そこはそれ、教える方も手慣れたもので適当に内容を簡潔にしたり飛ばしたりしながら対応していました。内容としては1日目にじん肺の概論とILO分類の解説とともにILO標準写真を一通り呼んだあと、肺内粒状影の読影訓練、二日目にCTの講義も交えながら、不整形陰影、大陰影の読影訓練、三日目に胸膜斑の読影訓練の後、午後から各自で独立読影を行って、本日最終日に答えあわせになりました。ちなみに独立読影中、シャーカステンとフィルムの数の関係もあり、2グループに分かれることになり、空いた方のグループに対しては、私と日下教授とにより日本の石綿肺の症例や悪性胸膜中皮腫の症例、HRCT国際分類(ICOERD)の供覧を行っています。Koreaに続いて2回目なのですが、まだまだ自分の力不足を痛感する次第で、時間配分の問題や英語能力の問題、そもそもの自分自身の読影能力の向上の必要性を痛感させられました。
なにはともあれ、とりあえずベトナムでのWSは終わり、次はタイへ行き、AIR Pneumoの打ちあわせです。

2010年8月10日火曜日

ベトナム雑感

ベトナムは私は初訪問なのだが、かつて同じようなワークショップが開かれたことがあるらしく、日下教授やIgor先生などは10年前、20年前にも来たことがあるらしい。二人して口をそろえたようにおっしゃっていたのは「20年前は自転車しかなくバイクも少なく車なんて見なかったし、そもそも信号もなかった。そのころと比べると凄い変化だ」とのこと。確かに移動中バイクを大量に見かけ、自動車の運転の邪魔で仕方がないということ。自動車もバイクも交通法規があるとは思えない運転だし・・・。クラクションが常にどこかで鳴っている感じで、確かにこの交通の具合だと、バイクに自分の存在を知らせるためにならさないと仕方がない感じである。
そんなバイクの様子をとってみたのだが・・・この写真は停止中だが、移動中でもこの密集度で普通にやってくるバイクの群れ。さしもの私もここで運転するのは怖くて仕方がないです。
歩いて道路を渡るのもどんな規則があるのか微妙な雰囲気で、渡るのに苦労する人は苦労しそうな感じです。とはいえちゃんと渡るための「間」があるようでそれなりの「間」でいけばちゃんとバイクたちも止まってくれます。

MOH/ILO Training Workshop, Hanoi, Vietnum 1日目

本日よりじん肺読影の講習会の開始。前回の今年3月の韓国での講習会は全部英語だったが、今回は英語の講習に対してベトナム語の通訳が入っている。そのために1つの話が英語+ベトナム語で2倍ぐらいの時間にどうしてもなってしまい、時間的に若干押し気味で経過したが、それでもちゃんと時間調整して内容を締めていくあたりはさすがというべきか。
ちなみに本日は同じ日本の産業医科大学の高橋健教授もベトナムにきており、石綿の疫学的な話の講演を聴かせてもらえたし、相変わらず簡潔かつ分かりやすいJ.Parker先生とKurt先生の講義も2回目というのに勉強になった。
さて今日からまた四日間頑張って勉強して帰って、できれば後期の学生の講義に生かしたいものである。


本日はJ.E.Parker先生の読影訓練風景の2枚。

たろう

2010年8月8日日曜日

MOH/ILO Training Workshop 0日目

明日よりベトナムはハノイにてMOH/ILO Training Workshop on the Use of the ILO 2000
Classification of Radiographs of
Pneumoconiosesが行われる。今年の3月に韓国でやった講習会のベトナム版でまた当教室日下教授が講師として招かれているのでカバン持ちとして私も参加することになった。前回は結局受講生としてみっちり教育を受けることができたが、今回は一応observerとなっているもののどういう立場になっているのかあまり把握していない(前回もobserverで行ったらparticipantだった)。どちらにせよ私にとっては勉強の機会なので英語の勉強とかいう基本的なレベルからじん肺読影の教育の仕方というところまでたっぷりと勉強してこようと思う。
で、とりあえず昨日は大阪の実家に泊まって朝から関空へ向かい、タイ(スワンナプーム空港)経由でハノイへ行く予定で、現在スワンナプーム空港で乗り換え待ち中。タイには何度か行っているので使ったことある空港なのだが相変わらず広くてうろうろしだすとだいぶ距離があって困ります。全部見て回る必要なかったんですけどね。

写真はそのスワンナプーム空港のユニクロでお買い物をしてご満悦の教授。

2010年7月6日火曜日

研究会2010年7月6日

発表者:藤本昭先生
出席者:日下、佐藤、平井、梅村、田村、周、清水、川岸

「より実用的な転倒予測ツールの開発」に関して
高齢者の転倒は非常によくある話で医療福祉施設なんかでは入院・入所者の転倒転落リスクについては常に気を張っているポイントの一つで、先日の学生実習においても施設などでは転倒転落に関する話も取り上げられていた。そういう分野なので今までにも数多くの転倒予測のための指標が挙げられているが、それらをざっとレビューしていただき、研究プランについて討論を行った。
当初バランステスト、歩行テストを中心に話がされていたが、その他の要因として、柔軟性や視力、基礎疾患などについても意見が出てきた。転倒するかしないかはやはり総合的な問題なのでどうしてもさまざまな視点・要点からの議論が出てきてなかなかに取りまとめるのは大変そうである。

2010年6月30日水曜日

研究会2010年6月29日

発表者:四方啓裕先生
参加者:日下、佐藤、平井、梅村、田村、周、高橋、清水

中央アジアの民族と紛争ということで四方先生が経験された〜スタンの国々中心にその土地の実情・生活について面白く話してもらうと同時に、国際保健の現状について楽しく語っていただきました。一時期もてはやされたイスラム中東VSキリスト西洋の文明の衝突論の話から、女性教育と妊産婦死亡率・乳幼児死亡率の関係についてなど多彩な話を聞けた。2002年のパキスタンでは男女格差で女より男のほうが寿命が長い(生物学的にはあり得ない)という話などもあり、このことが発表された後若干情報を操作しているみたいだというような話もありますが。またアフガニスタンの保健衛生政策についてBasic Package of Health Services(BPHS)、Essential Package of Hospital Services(EPHS)について。徴税能力がないので、ほぼすべて海外からのお金でやっているとのことで、PrimaryCareのBasic Packageについてはほぼ全土カバーできて、成果が上がっているらしい。二次・三次医療についてはなかなかサポートしてくれる海外組織がないのでサービス提供そのものがなされていないとのことだった。国際保健、今当教室に欠けてるところだという厳しい意見もいただきましたが・・・。

2010年6月27日日曜日

実習発表会 Part7 発表順18−20まで

ちょっと遅くなってしまったが実習発表会の最後の三つについて

一つは医学生のアレルギー実態調査。食事や生活状況とアレルギーの関係についてパッチテストを行い解析してくれた。どうも今年のデータを解析した結果「朝ご飯を食べている人」に多いアレルギーがあったようで、本来健康習慣である朝食の摂取が悪影響を及ぼすのか、みたいな話になっておりました。さて、報告書としてまとまるときにはどのように結論付けられるか、楽しみなところです。

二つ目はレントゲン読影実習ということで、私が直接指導していた斑です。じん肺の歴史・病理・疫学・治療・法規とともに、実際の粉じん管理の現場や、石綿の使用状況、じん肺検診の現場なども見てもらい、その上でレントゲンの読影について学んでもらい、学習前後でじん肺の読影試験をしてみて、その結果解析も統計学的に行ってみようと言う盛りだくさんの内容だったのですが、その中でポイントだけを抽出してまとめてもらいました。それなりに綺麗にまとめてくれたとは思うのですが・・・発表にまとめなかった部分についてはあまり頭の中には入らなかったようで、指導力不足を今年も痛感しました。

三つめはアジアじん肺読影医養成コース(AIR Pneumo)入門ということで、当教室の大学院周先生の元、やはりじん肺をキーワードにじん肺のもろもろと読影訓練とレントゲン読影能力を評価してくださってました。また「アジア」のキーワードの元アジアを中心とした海外のじん肺の状況についてもよく勉強してくれていました。

ということでとりあえず、発表会は終わり、後は報告書の作成です。

2010年6月25日金曜日

実習発表会 Part6 発表順15−17まで

介護の現場でのインシデント対策の発表をしていただいた。ヒヤリハットと称される事故(未然に防がれた事故)の中に含まれている危機的な事故の原因を抽出して対策を練っていくのだが、やはり介護の現場ということで転倒・転落が最多ということであった。転倒転落は医療介護の現場で確かにしばしば問題になっており、様々な対策が練られているが、QOLや機能維持が叫ばれる中で、体を動かしながら、転ぶのは防ぐというのは非常に難しいことだと痛感する話は頻繁にある。

次に医療現場でのオカレンス対策についての発表。用語の微妙な差異はあるが大枠では上記のインシデント対策と似たような話になってくる。この中では当大学病院での対策を中心にRCA(根本原因分析)の詳細とともに、リスク管理上大切なヒューマンエラーと、個人責任を追及しないというスタンスについても話してもらえて、前段の話とも絡めて学習効果の高いものとなっていたと思われる。

新しい産業医学入門ということで、これから先の産業医学を考える視点で、現状の産業医学の現場を学んでいただき、また当福井大学松岡キャンパスの健診データを使って解析なども行っていただいた。

実習発表会 Part5 発表順12−14まで

このパートから役目の関係上簡素なものになってしまったのをご容赦いただきたい。
介護予防事業の意義についての話。治療から予防への流れの中で高齢者の疾病について予防が大事とされ、介護予防を行うべく、地域では様々な対策を練っている。その中身について体験学習し、その支えとなるべく地域住民として何が必要になるか、また将来医師になる中で何を理解しないといけないか学んでもらえたと思う。

リハビリ慢性期病院の実情に関して、現場の福井リハビリテーション病院で学習してもらった。リハビリは急性期から在宅の架け橋になるところであるが、かけ橋であればこそ板挟みにもなりやすい場所ではないかと思う。その中でどのように日々頑張っておられるのか理解してもらえたなら何よりである。

院内感染対策についての概要を発表していただいた。当大学とその他の病院と比較して院内感染症対策マニュアルの比較検討などされ、院内感染対策がどのように行われているかがよくわかるものにまとめてもらえたと思う。レポート(報告書)には実態としてどのような感染症の発生があるのかも盛り込んでもらえるとのことで期待している。

実習発表会 Part4 発表順9−11まで

在宅医療の普及のために福井県坂井地区で行われている坂井在宅ケアネットの話をもとに在宅医療について考え発表してくれた。想像するだけでも在宅医療は非常に難しいというのは簡単にわかることなのだが、それをどのように実現するのか、現場では様々な知恵と努力が出されている。その中でケアマネージャーの重要性についても述べてくださっていたが、確かに現場でケアマネージャーなどの医療と福祉のかけ橋をしてくださるスタッフの重要性は痛感することしきりである。「全人的医療」が大事さは言うまでもなく、当大学でも「病を見ず人を見よ」という言葉も掲げられているが、複雑化した医療・医学はその中ですら細分化が進んできている現状で、医師も人間であり、本当にその人の「すべて」を見ることは難しいのではないだろうか。そのような現状の中でケアマネージャーや病院の地域連携士などの役割は確かに大きく、私自身も外来での治療の上でキーパーソンの一人として家の問題やお金の問題といった際限のない話に付き合い、対応してもらったこともある。
チーム医療と言われて久しいが、医療のみならない患者さんの周辺をチーム化して問題にあたらせていく、そういう役割の人物が必要とされている中、今その重責を担っている方たちに敬意を表するとともに、今後につながっていくことを祈る次第です。

在宅医療第二弾。在宅医療にかかわる人たちへのアンケートを行い問題点を考えてくれている。サービスを提供する側とサービスを提供される側それぞれの比較を行ってくれた。同じサービス供給側であったとしても各立場によってやはり問題とする視点に違いが出てくる。医師不足の問題ともに、大学における在宅医療教育の必要性に言及されるなど、立場上若干耳が痛いところもあったが、どのように対応するか、本来は大学全体としても考えるべきことである。総合診療・在宅医療については総合診療部も頑張ってくれているのだが、当然教育には学生の方にも大きな要因となるので、この実習を機会に学生さんたちの意識を喚起することで、総合診療部への援護射撃となれば幸いです。

精神保健福祉に関する実習。精神障害者に対する制度や現状について学ぶとともに、今問題となっているものを考察してくれていた。個人情報保護法についての問題も出てきていたのだが法律は専門外なのでよくわからないのだが、ちょうど法律導入時には大学も卒業していたため、現場で導入時のことを見ていたが、正直、個人情報保護法以前から医師には守秘義務があったはずであるし、その意味では法律でとやかくいわれる以上の個人情報保護意識を持っていないといけなかったはずではないかと思う。情報提供の可否のときに必ず出てくる個人情報保護法なのだが、医師が社会的ステータスであるのなら、法律の字面に左右されるというのもなんとなく格好の悪いことである。

実習発表会 Part3 発表順7−8まで

古い「医食同源」から新しい「生活習慣病」まで食事と健康の問題は今も昔も切っても切れない関係である。この班では健康診断結果と食生活アンケートについて相関関係(関連の有無)や地域ごとでの比較検討を行ってくれた。古典的かつ現代まで続く食と健康の問題、世間一般で言われていること、常識的と思われていることでも、なかなか結果がきれいに出なかったりもするのだが、出ないなら出ないとして、なぜ出てないのか、研究プランに問題はないのかなどの検討も大事である。

特定検診、特定保健指導の話第2段。有名な「腹囲」が含まれた診断基準に関する疑問点の検討、そして今進行している国内外で進んでいるメタボリックシンドロームに関する診断基準の改定の動向まで学習してもらったようである。ある時点での基準、常識は将来にどうなっているかはわからない。そういう意味で今後どうするべきかについて、新たな基準を想定して検討してくれたなかなか有意義な発表だったのではないだろうか。

実習発表会 Part2 発表順4−6まで

インフルエンザ第2段。微生物学の矢野先生にご指導いただいた新型インフルエンザに対する対応・対策の現状の話。去年の話題は新型インフルエンザ一色であったがそのころどのような対策がなされていたのかについて発表してくださった。各機関で対応がどのようになされたのか、総括的な話がよく理解できたのではないだろうか。市中病院でのインタビューについては私が相談に乗ればよかったかもしれない。

保健所における原因不明の危機管理に関してという発表で、どのような問題でもはじめは原因不明であり、原因がわかってしまえば対応は決まってくる。そういう前段階の原因不明段階でどのように対応する戦略が練られているかを学習してもらう意欲的な内容の一つ。実際の現場で初めには原因などわかっていないことのほうが多いので、そういうときにどういった対応をするべきかは将来医師として現場で原因不明の事態に遭遇する可能性の十分にある医学生には貴重な体験となったのではないだろうか。ただ原因追求の想定事例が若干発生地図上の分布に偏っていたのが気になったことだろうか。むろんジョン・スノー以来地図上での分布をみるのは疫学の大事な基本的アプローチではあるのだが。

メタボリックシンドロームを代表とする職場における健康管理についての発表。医療費削減という視点も絡んで厳しくなってきているメタボリックシンドロームの話なのだが、特定健康診断の受診率が低い現状に対し、いかに対策を行うかについて考えてくださったようだ。コストやマンパワーが限られる中、どのような対策を練るのかは難しいところである。

実習発表会 Part1 発表順1−3まで

福井県衛生環境研究センターのご指導によりNOx,SOxによる大気汚染の評価とBOD,COD,TOCによる水質汚濁の評価について学習するとともに実際に体験してもらい発表された。どのような調査でもまず丹念な基礎調査が大事であることを理解していただけたようである。

福井県原子力環境監視センター
多数の原子力発電所のある福井県ならではの実習の一つだと思われる。原子力発電所を安全に運営するために、そして万が一トラブルが起こったときのためにどのような準備対策が練られているかを理解してもらえたのではないだろうか


本年のトピック、新型インフルエンザの第一弾として福井県衛生環境研究センターでインフルエンザの分離同定の話を勉強の上発表がなされていた。インフルエンザウイルスの基礎知識から遺伝子検査の基礎知識まで、分子生物学や微生物学でも学習している(学習する)はずの話であるが、それらが実際にどういうところでどのように行われているのか体験できたことは有意義であったと思いたい。こういった知識をベースの集積の中で疫学の話がどのように絡んでいるかというところまでは発表では踏み込まれていなかったが、発表時間の限界もあり、すべては話せないので仕方がないというとろか・・

2010年6月23日水曜日

研究会2010年6月22日

発表者:田村太朗
出席者:日下、佐藤、平井、梅村、周、高橋

本日は私が発表する一般市民に対する石綿関連疾患スクリーニング(JGSARD研究)の話でした。5月に会議に行って来て、11月の肺がん学会では私が発表するということもあり、一度皆さんに見てもらって、発表までにどういうことをするか、第2回目の健診結果もあわせて今後の研究としてどういう話をするかといったことを相談したいがために発表させてもらいました。今のところでは石綿関連と思われる病変が石綿曝露した自覚などない人にも数%出ていたりとか、それだけでも有意義なデータではありますが、2回目のデータも踏まえて肺癌の出現の頻度などからもう少しいろいろな解析ができると望ましいのですが・・・。
会議でも研究会でも問題になったことの一つは読影基準の問題。当教室としてはICOERDというCT分類の普及をお願いしたい立場でもあり、ICOERDは分類としてはかなりきちんとしたもので、疫学研究などには非常に有用だと思われるのですが、きちんとしているということは読むのに手間がかかるということ(特に慣れるまでは)。ICOERD-Viewerなどという専用のビューアーも作って読影環境の整備も試みていますが、このJGSARD研究ではICOERDそのまま採用というわけにはいかなかったようです。ただ読影者が複数人にわたるので読影基準案として一定のラインを設けたのですが、基本的に「内輪」での合意をとるための基準なので、外部の人にアスベストの読影はこうすべき、と訴える読影基準とは若干異なります。ただ内輪での合意にしてもその基準はもう少し明確に・・・というところが一つの論点。
そういえばこの教室に来た頃、日下教授から「スケール」(ものさし)を確定するだけで一つの大きな仕事だと言われましたが、こういうような読影基準もそういうことで、本当に黄金律となれるようなものに仕上げるには・・・大変な努力を要しそうです。
さて、話は戻りますが先述の「ICOERD Viewer」ですが、AIR Pneumo Webpage上で公開中です。興味のある方は是非使ってみてください。
http://airp.umin.jp/ICOERDviewer.html

たろう

2010年6月18日金曜日

研究会2010年6月15日

演題:常位胎盤早期剥離の診断に苦慮した4症例&常位胎盤早期剥離の早期診断のための凝固検査
発表者:里見先生
参加者:日下、佐藤、平井、梅村、田村、周

本日は里見先生による症例報告の話。今回は症例報告として4例報告していただいた後に、常位胎盤早期剥離の早期診断についての話について発表があった。凝固線溶系の検査で常位胎盤早期剥離を診断しようという話で、産婦人科を専門としていないのでそういうところで現在どう考えられているのかは無知で申し訳ないが、内容的にはかなりインパクトがあるように思う。とりあえずもうこの内容で文章化(論文化)することになってきたのでどのように最終的にまとめられるのか今から楽しみだ。

2010年6月11日金曜日

第2回環境美化運動

またもや先週の話で申し訳ないが、今年度の第2回の環境美化運動が6月4日に行われた。この時期の環境美化活動には実習中の医学科4年生たちにも毎年参加してもらっている。個人的には強制的にゴミ拾いに参加というのもあまり好きではないのだが、まぁ時にはゴミ拾いをして自らの大学の実情を知ってもらうのも大事だし、よい機会である。6年通して4年生の時に1回だけなら頻度としても少ないし許容範囲内だろう。
ということで私の実習班の皆さんにも盛り上がる中議論を打ち切らせてもらい、参加してもらいました。

2010年6月9日水曜日

レントゲン読影実習近況

この時期は金曜日は毎週学生の実習ということで、先週の金曜日も学生実習をした。実質私が見ている班は一つだけなのでどうしてもその班の話になりがちであるが、わが班は以前にも記載したように「レントゲンの読影実習」ということで、じん肺のレントゲン写真の読影について勉強してもらっている。同時にじん肺という病気(おもにフォーカスは珪肺と石綿肺)についても勉強してもらっているが、今年度は5月末の学会の影響で、なかなか時間が厳しかった。先週ようやく本格的にレントゲンの読影に入っていくことができた。3人ひと組で相談しながら読影してもらい、その後読影結果とレントゲンの所見について討論をする。できれば多くのレントゲンを読み、たくさんディスカッションしたいのだが・・・よく予定を見ると読影練習に使えるのは後は今週末の半日のみ。6月の最終週が発表会だったはずなので、来週はもう発表の準備に当てないといけない。本当に今年の実習はあっという間である。

たろう

2010年6月8日火曜日

研究会再開

先月は学会のためにお休みしていた研究会が本日より再開となった。担当は高橋先生で、去年より開始したインフルエンザ予防行動に関する意識調査の第一報についての討論で、公衆衛生学会で発表する予定とのこと。
今後時系列的にインフルエンザの流行などで意識がどう変わるかも見ていく予定だが、現時点では第1回のアンケートに関する横断調査の結果について検討を行った。アンケートが行われたのは去年2009年の11月末ごろという新型インフルエンザの話題が華やかだったときのもの。いまやインフルエンザの話題も下火になり、世間の話題は口蹄疫でもちきり(口蹄疫の話題ももうそろそろ下火になりつつある?)。少し前に人間には影響しないとはいえ同じ感染症だからと高橋先生に話題を振ったけどあまり相手にされませんでしたが・・・。

発表:高橋伸徳先生
参加者:日下、佐藤、平井、梅村、田村、周、藤本

第83回日本産業衛生学会を終えて

過日、第83回日本産業衛生学会は大盛況であった。
偏に、開催にあたりご協力、ご尽力いただいた多数の方々並びにご参加いただいた皆様に感謝する。
今回、福井県としては史上初の全国学会であり、参加者の皆様には"福井へようこそ"越前・福井の地を楽しんでいただけたことでしょう。
学会の楽しみと言えば懇親会だ。参加者は食べ物、お酒に期待を膨らませる。
ご当地アピールの格好の場でもある。

福井は食の宝庫。自然の恵みを受けて手塩を掛けて作られたおいしい米やお酒はご当地自慢である。
中でも名物「おろし蕎麦」は格別だ。冷水で締めた蕎麦に、おろし大根をぶっ掛けてカツオや塩のダシ汁にネギを添える。
いたってシンプルだが、おろし大根と蕎麦の風味は絶妙のバランスだ。

実はこの「おろし蕎麦」、当環境保健学領域の日下教授の研究とも関係がある。
1993〜1996年に手がけた研究「長寿地域における健康要因の抽出と、その応用に関する研究:福井センティナリアン(百歳長寿)研究」だ。
県内在住の元気高齢者(36名 96〜103歳)に食生活などについての聞き取り調査を行い、長寿者の大半が白米や野菜の煮物などを好み、発ガン抑制効果のあるダイコン、ソバ、なども日ごろからよく食べていることが分かった。
つまり、望ましい栄養・食習慣が抽出され、保健指導への導入や普及可能となり、今後の介入研究の道を開いた。当時マスコミ(福井新聞)にも取り上げられ話題を呼んだ。

この写真は27日の懇親会の盛況振りだ。
会場が溢れるばかりの参加者で賑わい、皆様に地酒や海の幸をご堪能いただいた。
私は写真撮影に夢中になっていたが「おろし蕎麦」の屋台には長蛇の列が出来ていた。

何はともあれ、福井ならではの学会であった。

平井

2010年6月2日水曜日

AIR Pneumo WebPage

AIR PneumoのWebPageについてある先生から「あんないかにも日本人が頑張って英語にしましたみたいなのじゃなくて、もっとスマートなやつにしてよー」と言われました。デザイン業者にお願いしちゃってもいいじゃん、みたいなご意見だったのですが、そういわれて改めて見てみると確かにやぼったい。


というよりデザインが古いんですよね。いろいろと考えた末の(いかに楽するかを追求した)デザインだったのですが・・・なんかそう言われると気になり始めたのでちょっとデザインをいじってみようかと思い、手を入れてみたのですが・・・。


若干スタイリッシュにはなった気がするものの、根本的に英語力が足りてないため、どうやっても頑張って英語にしました感は抜けない気がします。そもそもコンテンツの整理が足りないし・・・。という感じで現在悪戦苦闘中。

たろう

2010年6月1日火曜日

学会2日目3日目

この二日写真がとれておりません。それどころじゃなかった、というのが本音です。27日は自分自身(と日下教授)の学会発表があり、28日は朝気分を悪くされた方がいたり、急きょ不在になった会場責任者の代理として対応したりと大忙しでした。
懇親会についてもできれば語りたいのですが、事務局業務のために1時間遅れて遅参したりと、あまり語れなかったりします。私がはせ参じたときには大槻先生のピアノ演奏の頃。とりあえず大盛況で目的の人を探すのも苦労する状態でした。料理も評判がよかったようで何よりです。
懇親会のあたりは別の方よりの投稿を期待しております。
でも公私混同もほどほどにしましょうね(--;
まさかあんな人まで来てるなんて
もう私はほんきでびっくりですよ

学会初日


そして学会初日。朝よりの総会を皮切りに学会がいよいよ動き始めます。これからの日本の産業衛生について総論的な大筋のことに関する議論も交え、総会は恙無く終了しました。


そして午後からは本学会の目玉の一つ、鎌田實先生の講演がありました。始まって数分で聴衆の心を和ませると同時にわしづかみにするその手腕はまさに講演のプロで、他の講演とは一線を画しております。聴衆も開始直後ですでに満員御礼。その後立ち見がどんどん増え、最後にはすし詰めになったとかならないとか。まぁ緊急放送はなかったのでたぶん立ち見状態の人は出ましたが、混乱はおきなかったようでなによりです。


そのような素晴らしい講演だったのですが・・・・中身についてはコメント不可能です。だって写真とるときの数分しかどちらも聞いてませんから・・・・。

学会直前

予告通り学会について振り返ってみたいと思いますが、案の定というか、なんというか、学会中それほど余裕がなかったのでさほど写真もとれておりません。とったつもりでもぼけぼけだったり・・・。やはり携帯の限界でしょうか。デジカメ分でも身に着けるものは減らしたかったんですよね。ということであまり写真がない言い訳を先にしておきます。


まずは学会直前で、ちらっとすでに書き込みましたがあちこちの先生たちに会場責任者や産業医単位の認定などの処理についてご協力いただきました。みなさん多忙かつ遠路はるばる来られる方も多く、なかなか集まる機会がありません。なのでこの学会前日のひと時を使って、何をお願いするかの説明をさせていただきました。この時点では個人的には「どっちも自分の業務じゃない」という気分だったのですが、実際には会場責任者も単位認定の印鑑・シールの話も関わることになり、今から思うとちゃんと自分も参加しておけばよかったと思います。ちなみに写真はその説明の前のひと時。梅村事務局長による熱心な説明の写真は以前の者をごらんください。


事務局がそのような準備をしている間に学会の運営スタッフさんたちはさまざまな設営をしてくれています。各器材がきちんと動くか、プロジェクターのピント、位置はきちんと合っているか、などをチェックしてくれている一枚。

2010年5月29日土曜日

第83回日本産業衛生学会終了

昨日までの三日間で第83回日本産業衛生学会が終了しました。やはり大きなイベントであるため細かい問題はいろいろあり、良いことばかりとはいきませんでしたが、学会そのものは多数のご協力いただいた先生方、参加者の皆さま、また運営の方々のおかげで、胸を張って成功したといえる盛況ぶりで、日下教授筆頭に環境保健学教室の一同喜びとともに皆様に感謝しております。
私が個人的に記憶している概算では学会参加者が実に2400名も集まり、会場によっては立ち見も出てしまうほどでした。また懇親会も多数の人が集まり500名近い方の参加をいただきました。
まだ本日特別研修会がありますので最後のひと頑張りした後に、一休みしてから、また写真とともに振り返って総括して投稿したいと思います。

たろう

2010年5月26日水曜日

総会開始

とうとう産業衛生学会総会開始
大前先生よりご挨拶いただく

2010年5月25日火曜日

学会担当者打ち合わせ

学会にご協力頂く先生方と打ち合わせ。お忙しい中協力いただき一同感謝にたえません。
しかし本当に学会始まるんですね。戦々恐々です

永平寺ツアー

さて、いよいよ学会が明日に迫っています。運営側としては設営などの準備もあり、気分は今日からというところで、本日は数々の物品を会場に搬入していく予定です。後一息、誰も倒れることなく終わってもらいたいと切に願うところです。
これまでも学会で行われるいろいろなイベントについて書いてきましたが、明日以降何をどのように更新できるかわからないので、締めくくりのつもりの一つ目の情報はこの永平寺ツアーです。以前にも紹介したことがありますが、学会最終日の28日午後から、無料の永平寺ツアーを用意しております。永平寺の座禅体験も含まれ、しかも学会終了後お帰りの皆様のために小松空港までお送りさせてもらうという至れり尽くせりなツアーです。幸いまだ若干空きがありますので、是非福井を離れる前にさっと福井観光をして帰ろうという人は参加していただけるとお得です。
ちなみに以前にもいったように私の個人的お勧めは恐竜博物館ですが。

たろう

2010年5月23日日曜日

第83回産業衛生学会まで後三日

さて、もうすぐ日付が変わると学会開催まで後二日です。実質全日から設営などが必要なため、もうさすがに学会に向けて教室全体で全精力を注ぎ込み、一気に学会期間を駆け抜けたいところです。
もっとも学会自体はその専門家が集まる学術的なイベントなので、専門家以外には縁がないことも多いのですが、学会の中でも一部は一般市民にも開放しております。本学会ではこの地域交流集会がそれで、テーマが「自殺予防」になっています。過重労働や不景気による負担などで人間が押しつぶされる世の中、自殺の問題についても見過ごすことはできません。様々な立場の先生方にそれぞれの専門分野での自殺予防対策を話していただくことで、包括的な自殺予防対策をみなさんにも考えていただけたら、と願っております。お時間の許す方は参加していただけると幸いです。

たろう

2010年5月22日土曜日

一般市民に対する石綿関連疾患スクリーニング(JGSARD研究)会議

現在福井大学医学部環境保健学教室内は第83回産業衛生学会のこと一色・・・のはずなのですが、国立がんセンター金子昌弘先生、帝京大学の江口研二教授の主導の下行われている一般市民に対する石綿関連疾患スクリーニング、略称JGSARD研究の会議があったため、東京へやってまいりました。当然その分、教室の皆様や私が指導している実習班の皆さんにしわ寄せが来るため恐縮です。
実に1万人近くの人に詳細な問診・レントゲン・低線量CTを行い、そのデータを蓄積しつつある当研究班は厚生労働省主体で行われていますが、環境省やその他のところからも注目されています。なかなかこれだけの規模で「一般市民」を対象に調査が行うことはなく、しかもテーマが世間的には若干ピークは過ぎたとはいえ、一時世間を騒がせた石綿関連の話であり、注目されない方がおかしいという気もします。
かつては石綿を職業的に扱っていた人たちのみが問題視されましたが、クボタ工場周辺の調査から、職業曝露だけでは片手落ちであることが明らかになって早数年たっています。実際にあちこちの建築物に使用され、工場で使用されていた石綿による「環境性」の曝露の実態について、何をどのように調べるのか。今の日本ではどのような調査が可能か、という意味で、一般市民対象にレントゲンに加えCTまで使用し、石綿性胸膜班の有無を調査しております。また政府予算の関係上とはいえ2年の時間をあけて(純粋に医学者としては10年、20年の時間をあけて調べたいのですが・・・)2回目の検査も行っており、これらのデータの解析も残っていますが、一応初回の検査結果について解析の概要が報告されました。この結果については久山先生(中国中央病院)が論文を作成中で、それが公表されるのを待ってください。
これら結果については逐次関連学会でも発表するのですが、今年度はIMIG2010(8月31日、9月1日)、日本肺がん学会(11月3日、4日)での発表が予定されています。そのうち日本肺がん学会での発表については光栄にも私が発表させていただくことになりました。しかし、抄録(発表内容の要約)の締め切りが5月25日。日本産業衛生学会直前のこの時期にこんなことを引き受けてくる私はいったい・・・。

たろう

2010年5月19日水曜日

2nd AIR Pneumo

まだ第83回産業衛生学会も終わっていないのですが、学会が終わればすべて終わるわけではなくこれからもいろいろと仕事は続いていきます。まぁその目前の学会でAIR Pneumoを宣伝すべくチラシを作ってみました。先日懇親会のポスターとかも作った流れで、なんか褒められたので調子に乗ってみただけですが。ということで第2回のAIR Pneumo(アジアじん肺読影医訓練コース)は12月にあります。場所は前回と同じタイの胸部疾患研究所で、定員がおそらく30名程度だと思います。希望者がいれば私のところまで連絡くださればいいのですが、最近のタイの情勢は不穏なニュースが流れているので若干開催に不安が残ります。思い起こせば前回の第1回AIR Pneumoのときも直前にスワンナプーム空港が占拠されていて開催が危ぶまれましたが、日ごろの行いのおかげであのときも無事開けました。きっと今年も大丈夫です。現地タイの人たちに送り迎えしてもらったりして、大分お世話になりましたが。ということで日本の方でもご希望があればご一報ください。

2010年5月12日水曜日

懇親会のポスター案あれこれ

いよいよ学会まで後二週間。いよいよ佳境です。そんな中、零細組織でもあるので学会で使用するポスターの一部は自前で準備しております。特に2-3枚あればいいような貼りものなんか自分たちで印刷した方が手っ取り早いし、安上がり。ということで学会当日にはる懇親会の宣伝ポスターを自作してみました。


とりあえず懇親会ですので「楽しく」をテーマに、楽しいものー・・・と考えたら、はい御覧の通り。白い部分は焼き鯖寿司の写真を入れるつもり・・・・だけど、いいのが手元にないので白紙(Webで落としてきたのを勝手にも使えませんし。)楽しそうだけど、なんか子供っぽいというか・・・小学校の運動会とかなんかそんな感じのポスターに仕上がっています。配色と背景柄の影響なんでしょうが・・・。一応背景これ「デニム」ってなってたんです。デニムといえばジーンズ。ジーンズといえば労働。産業衛生学会にぴったり・・・と思ってやったんですが・・・。でも女性陣には意外に好評でした。


それをちょっと背景とか手入れしてもう少し学会の雰囲気も出るようにしたのが第二稿。ぐっとしまって大人な感じです。まぁこれはこれでありかも。

でも(所詮素人がとった写真はいまいちなので)写真がないほうがいいという意見もありましたので、写真のないものも作ってみることに。是非、地酒を取りそろえたことが売りだから地酒の銘柄を全部入れて欲しい等の希望も入れて・・・・写真なしで楽しいとなると・・・・と思いながら作ったのが第3稿。結構楽しげにできたつもりですが・・・でもA1サイズに印刷するにはちょっと・・・・という気がします。

で、写真なしでインパクトあるのは無理でしょう、みたいにいわれたのもあって、作ってみたのが第4稿。わかっております、言われなくても作ってる間にこれはダメだというのは気づき・・・・いや構想段階からわかってたので余暇にやってました。完全に冗談で作った冗談稿です。第1稿に原点回帰してさらにそれを推し進めた、私の中の通称は幼稚園の遠足ポスター。
こういった変遷を経て出来上がったポスターははたして・・・・当日どうなっているかお楽しみに。
ちなみにさっき思いついた冗談稿その2はこれです。

たろう

2010年5月8日土曜日

2010年度実習初日(第19班)

昨日は医学科4年生の実習初日でした。私の担当班はレントゲンの読影実習ということで、じん肺のレントゲンを学生のみなさんに読影してもらうのですが、例年それほどきちんとしたレントゲンの読影については未修の時期なので、ほとんどゼロからのスタートのつもりで予定を考えています。本来レントゲンの読影については放射線科の先生にきちんとした講義をしてもらうのが良いのですが、そのためだけに御足労願うわけにもいきませんし、自前でレントゲン読影の基礎から初めています。ただ今年は諸般の事情から、初日のスケジュールがいっぱいいっぱいで、わずか3コマ(90分×3=270分)でレントゲン読影のいろはからじん肺の分類基準とその実践まで駆け抜けるというハードスケジュールでした。午前中9時から12時だけで総ページ数200ページのスライドショーの閲覧で、その中で座学の部分を全部終わらせ(レントゲン読影〜じん肺の分類基準まで)、正直話す私も疲れないわけではないんですが、これ聴き続けるのもかなり大変なはず。でも6人中2名はちゃんと最後までずっと聞いてくださいましたし、まぁ一番大事だと思われるレントゲン画像のところはみなさんだいたい見てくれてた感じでした。その後午後はじん肺の標準写真(計22枚)を見た後、最後に1例読影してもらうという一日で本当に多分おなかいっぱいだと思われます。
ちなみに教材は先日のILO/KOSHA WorkshopでのJ.E.Parker先生の内容、K.G.Hering先生の内容、先日解説したAIR Pneumoの内容などを活用しながら作らせていただきました。
ネタをいただいた先生方とともに、頑張ってお付き合いただいた我が実習班の学生たちにも感謝しております。

たろう