2010年6月25日金曜日

実習発表会 Part4 発表順9−11まで

在宅医療の普及のために福井県坂井地区で行われている坂井在宅ケアネットの話をもとに在宅医療について考え発表してくれた。想像するだけでも在宅医療は非常に難しいというのは簡単にわかることなのだが、それをどのように実現するのか、現場では様々な知恵と努力が出されている。その中でケアマネージャーの重要性についても述べてくださっていたが、確かに現場でケアマネージャーなどの医療と福祉のかけ橋をしてくださるスタッフの重要性は痛感することしきりである。「全人的医療」が大事さは言うまでもなく、当大学でも「病を見ず人を見よ」という言葉も掲げられているが、複雑化した医療・医学はその中ですら細分化が進んできている現状で、医師も人間であり、本当にその人の「すべて」を見ることは難しいのではないだろうか。そのような現状の中でケアマネージャーや病院の地域連携士などの役割は確かに大きく、私自身も外来での治療の上でキーパーソンの一人として家の問題やお金の問題といった際限のない話に付き合い、対応してもらったこともある。
チーム医療と言われて久しいが、医療のみならない患者さんの周辺をチーム化して問題にあたらせていく、そういう役割の人物が必要とされている中、今その重責を担っている方たちに敬意を表するとともに、今後につながっていくことを祈る次第です。

在宅医療第二弾。在宅医療にかかわる人たちへのアンケートを行い問題点を考えてくれている。サービスを提供する側とサービスを提供される側それぞれの比較を行ってくれた。同じサービス供給側であったとしても各立場によってやはり問題とする視点に違いが出てくる。医師不足の問題ともに、大学における在宅医療教育の必要性に言及されるなど、立場上若干耳が痛いところもあったが、どのように対応するか、本来は大学全体としても考えるべきことである。総合診療・在宅医療については総合診療部も頑張ってくれているのだが、当然教育には学生の方にも大きな要因となるので、この実習を機会に学生さんたちの意識を喚起することで、総合診療部への援護射撃となれば幸いです。

精神保健福祉に関する実習。精神障害者に対する制度や現状について学ぶとともに、今問題となっているものを考察してくれていた。個人情報保護法についての問題も出てきていたのだが法律は専門外なのでよくわからないのだが、ちょうど法律導入時には大学も卒業していたため、現場で導入時のことを見ていたが、正直、個人情報保護法以前から医師には守秘義務があったはずであるし、その意味では法律でとやかくいわれる以上の個人情報保護意識を持っていないといけなかったはずではないかと思う。情報提供の可否のときに必ず出てくる個人情報保護法なのだが、医師が社会的ステータスであるのなら、法律の字面に左右されるというのもなんとなく格好の悪いことである。

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