2010年6月23日水曜日

研究会2010年6月22日

発表者:田村太朗
出席者:日下、佐藤、平井、梅村、周、高橋

本日は私が発表する一般市民に対する石綿関連疾患スクリーニング(JGSARD研究)の話でした。5月に会議に行って来て、11月の肺がん学会では私が発表するということもあり、一度皆さんに見てもらって、発表までにどういうことをするか、第2回目の健診結果もあわせて今後の研究としてどういう話をするかといったことを相談したいがために発表させてもらいました。今のところでは石綿関連と思われる病変が石綿曝露した自覚などない人にも数%出ていたりとか、それだけでも有意義なデータではありますが、2回目のデータも踏まえて肺癌の出現の頻度などからもう少しいろいろな解析ができると望ましいのですが・・・。
会議でも研究会でも問題になったことの一つは読影基準の問題。当教室としてはICOERDというCT分類の普及をお願いしたい立場でもあり、ICOERDは分類としてはかなりきちんとしたもので、疫学研究などには非常に有用だと思われるのですが、きちんとしているということは読むのに手間がかかるということ(特に慣れるまでは)。ICOERD-Viewerなどという専用のビューアーも作って読影環境の整備も試みていますが、このJGSARD研究ではICOERDそのまま採用というわけにはいかなかったようです。ただ読影者が複数人にわたるので読影基準案として一定のラインを設けたのですが、基本的に「内輪」での合意をとるための基準なので、外部の人にアスベストの読影はこうすべき、と訴える読影基準とは若干異なります。ただ内輪での合意にしてもその基準はもう少し明確に・・・というところが一つの論点。
そういえばこの教室に来た頃、日下教授から「スケール」(ものさし)を確定するだけで一つの大きな仕事だと言われましたが、こういうような読影基準もそういうことで、本当に黄金律となれるようなものに仕上げるには・・・大変な努力を要しそうです。
さて、話は戻りますが先述の「ICOERD Viewer」ですが、AIR Pneumo Webpage上で公開中です。興味のある方は是非使ってみてください。
http://airp.umin.jp/ICOERDviewer.html

たろう

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