2011年7月6日水曜日

疫学演習第3-4講

本日も疫学演習の講義をさせていただきました。昨日に比べると押し並べて不評・・・まぁ自己採点してもいまいちでした。誠に申し訳ございませんでした。と最初に謝っておいてから、昨日に続きいただいた感想とコメントを・・・。

「ペースが早すぎて途中からわからなくなってしまいました」(他同様の意見多数)
⇒特にNNTの解説にはいるあたりから、でしょうね、たぶん。私としてもそのあたりからの授業内容に後悔があります。私の事前の練り方が足りておりませんでした。今後もっとスマートかつ理解しやすい解説に練り上げたいと思います。また途中から駆け足になってしまったのも問題でした。もう少し全体の時間配分について考え直したいと思います。

「板書が読みにくかった」「黒板が暗い」「できたら説明などはスライドにしてもらえると見やすくてよいと思った」
⇒急いだせいもあったかとは思います。もともと字も綺麗ではないし、丁寧な性格でないことも一因です。パワーポイントで行うことも毎年ちらっとは考えるのですが、以前学生さんより、計算問題は目の前で解いて見せて初めて教えれるんだ、と言われたことがあります。スライドをぱっぱ出してさぼっていてはいけないと言われました。そのとおりだと思いましたので、この演習に限っては今のようなスタイルでやらせていただいております。是非前の方で見て頂ければ見やすいと思うので次回からはアリーナ席の増設なども考えようかと思います(←?)。スライドによる教育の問題点として、一瞬で情報が切り替わるので計算問題の解答には不向きだと思います。視覚的にぱっと理解しやすいものを提示して行くのには非常に有用ですが、計算過程、計算の仕方はスライドで出されてもたぶんいまいちです。アニメーション等活用してできなくはないでしょうが、たぶん、今の形式、板書の方が向いていると思います。照明等の問題は学務室等の対応部署にも意見を伝えておきます。

「解答は先に配ってくれる方がありがたいです」
⇒やっぱりそうですか。でも配ると誰も私の話を・・・<昨日のくりかえし。ちなみに本日は先に配るようにしました。

「罹患率の単位が問題によって変化したりでよくわかりませんでした」
「説明の時点では明確に単位を記してほしい」
⇒単位の変化はなくすよりなくさない方が私はよいと思っております。実際に年間千人あたり、年間十万人あたりなど、疾患の頻度に応じて使い分けられますので。ただ、説明の中で単位の表記記載に不明瞭な点等散見されているのは私の不手際です。申し訳ございません。一度単位という側面から全部の資料を見直す必要があるとは思いつつ、そこまで手が回っておりませんでした。

「言葉の意味を教科書に載っていないようなくだいた感じで行ってもらえるとありがたいです」
⇒なかなか要求レベルの高いことを・・・。努力してみます。いい表現が思いついたら教えて頂けるとありがたいです。

「プリントに通し番号をつけるなどして、配る際の混乱を回避するのはどうか。学生の手元では1−4講すべてのプリントが入り混じる」
⇒本日の配る際の混乱は通し番号をつけるつけないの問題ではございませんでしたが、通し番号を入れるという提案は非常に有効性を感じます。ご意見ありがとうございます。なるべくそうしようと思います。ただ言い訳になりますが、ここ数年この演習をやる中で毎年去年より良いものにしようと手を入れております。その過程で増築増築の結果、非常に資料のデータが混在しており、一度まとめ直す作業が必要です。さて、その作業をする時間を・・・取りたいとは思いますが・・・内容を変えていく方が楽しいんですよね。表記のブレ、用語のブレについても御指摘しておられますが、その点も同じことで、統一的に見直す作業というのが必要になります。一度やりたいとは思っています。

「全部を覚えれる気がしません」
⇒私も覚えきれておりません。だからこそ計算をしてみようと思えないでしょうか?遠回りかもしれませんが本講義のコンセプトとしては覚えるぐらいなら手を動かせ!です。感度が高い検査が云々と言われたら感度99%、特異度60%とか適当にでっちあげて計算してみればいいというのが私の意見です。そうやって覚えることを減らしていっては如何でしょう?

「数学嫌いではないはずなのに何度聞いても忘れてる自分がいます」
⇒私も数学嫌いではないはずなのに何度聞いても忘れてました。しかも何度話しても忘れます(苦笑)。だって今日のROC曲線の説明でもぱっと横軸と縦軸何をとるか出てこなかったし。で、だからこそ手を動かせです。何回も計算していたらなんとなく片鱗ぐらいは残ります。だからたくさん問題を出してます。そのせいで時間がなかったわけですが・・・。

「個人的には各講の問題集と解答を冊子化していただき、授業でスライドもらって勉強した方が、自学もしやすく、プリントも煩雑にならずに済むと思いました」
⇒冊子化は本演習の野望の一つですので、そう思っていただきうれしい次第です。ただ、まだまだ中身に手を入れたくなってしまい、冊子化計画が遠のいてしまった次第です。今年もNNT入れてしまったので、これも含めて冊子化するとなると・・・

「もっと覚える内容を絞れないかと思った。覚える内容の優先順位をつけてほしい。すべて重要のように言われても頭に入ってこない」
⇒これはまた要求レベルの高い・・・。何を目的として優先順位を付けるかが問題だと思います。医師国家試験対策なのか、貴方方が臨床をする立場からか、研究をする立場からか・・・。たぶん今のあなたたちに必要なのは医師国家試験対策の立場からということになると思います。その場合優先順位を付けるのは困難です。要するにどこが試験に出るかですが、あなたたちが受ける試験問題を私は知りませんので・・・。ただ例年の傾向からこういう内容は出てるよな、というのはありますので、比較的優先順位が高そうな内容についてやっているつもりです。そのためすべて重要のような話になって大変なのは理解できます。ただこの中で優先順位をつけろといわれると・・・。まぁつけますけど。一連の中でのキーワードから言うと
感度特異度>尤度比>症例対照研究>コホート研究>相対危険>NNT>SMR>年齢調整死亡率>寄与危険>・・・
という感じだと思います。当然キーワードに伴って出てくるもの、尤度比のところでの検査前後確率、オッズなど関連語句もありますのでその用語だけ知っておけばいいというものでもないと思います。一応私なりに考えてみましたので参考にしてみてください。

ということで今後に向けていくつかの問題点が見えてきました。反映させたいと思っております。

たろう

2011年7月5日火曜日

6年次疫学演習

今日、明日の午前中は6年生への疫学演習である。例年6年生に対して私が担当していた時間だが、今年は拡充をして、月曜日午前中には梅村、佐藤、木曜日午後には日下、平井と総動員で、国家試験対策的な内容を行っている。その中で私がやるのは疫学指標の計算を実際にしてもらうという内容である。今日のお題は「年齢調整死亡率(直接法・間接法)」と「感度特異度、検査前後確率、尤度比」の2点。感度特異度、検査前後の確率の話は時間が足りなかったため明日にも引き続き話さないといけないかもしれないが、時間が取れるかどうかは不明である。

内容的には4年生のときにも教えている内容なので、またか、と飽き飽きしておられる方もいそうで、毎年恐縮しながら行っているが、例年出してもらう感想は押し並べて好評である。すっかり忘れていたので復習になったというご意見を多数いただくのはありがたい。その他、今日の話について学生さんからいただいたご意見をいくつか紹介させていただく。ついでにそれに対する私のコメントもつけておきます。

「数学が嫌いなせいか、覚えても覚えてもすぐに忘れていく気がします。」
⇒数学嫌いじゃない私もすぐ忘れていきます。毎回授業前に自分で簡単にですが復習して臨みます。

「言葉あそびのようでややこしいです」(他にも言葉、専門用語の点についての同様のご意見あり)
⇒専門用語も飛び交う上にいろいろ私が右から左から上から下から、同じことを様々な角度で表現しているせいもあるのでしょう。でも角度を変えて何度も同じことを言うことでどれかの表現がひっかかってくれると少しわかった気になるんではないかと思い、説明しています。却って混乱を与えていたらもうしわけありません。

「久しぶりに計算問題をといたので楽しかった」
⇒6年生になると計算なんかする機会なくなりますよね。国試の勉強ってなんかひたすら問題解いて解説読んで・・・ばかりですし。たまには気分転換になったなら私もうれしいです。

「計算大変」
⇒まぁ何回も解いてみるしかないと思います。小学校の計算ドリル解く気分で。

「久しぶりに疫学をやってみて知識の整理ができてよかったです。でも、国試にはパニックの中、正しく解く自信がないので、出てほしくないです」
⇒とはいえ、毎年必ず出てるような気が・・・。認定内科医の試験にも出てきますよ、感度特異度のあたりは。それほど複雑な計算はないのでやっぱり練習あるのみです。

「国試前にもう一度復習しなくてはならないと思うと憂鬱です」
「正直言って嫌いな分野ですが、国試でも大事で臨床においても重要なことなので、きっちり勉強しておきたいと思いました。コクシ前にもう一度講義してほしいです」
⇒御希望があれば何度でも教えに行きますので声をおかけください。

「4年生で講義を受けたときよりも分かりやすかったです」
⇒私も毎年少しでもわかりやすいものになるように努力させていただいているつもりです。非常にうれしい言葉ありがとうございます。

「よい復習になった。解説の前に解答を配ってもらった方がよかったと思う」
⇒どっちがいいかなーとは考えたんですが、解答配ると誰も聞いてくれないんじゃないか、聞いてくれないと寂しいな、とちょっと弱気な気持ちに負けてしまいました。でも先に配った方がいい気がしますね。明日はそうします。

「肝がんスクリーニングの例、検査前確率50%は逆に理解に不適切では?(検査陽性も検査陰性も検査前オッズは1、計算は楽だが、概念理解には向かない)」
⇒的確なご意見ありがとうございます。数年前に作った時にそこまで考えて作りませんでした。今度からは再考したいと思います。

「まだ公衆衛生を勉強する気になれません」
⇒講義の時期はカリキュラム全体の中で決まっているもので、ご希望に添えずに申し訳ございません。でも参加していただいた学生さんたちには無駄な時間にならないように内容など配慮はしているつもりです。自分で学習されるときの足しにもなると思いますので是非ご参加ください。

2011年7月2日土曜日

実習発表会

昨日、7月1日には実習発表会がありました。

今年は震災の影響もあり、様々なイレギュラーなことがあったため、学生さんたちにも多々不自由をおかけしたのですが、発表会ではそのようなトラブルを乗り越えて、どの班もよい発表をしてくださったと思います。

本当は今年もすべての班を取り上げたかったのですが、さすがに実習発表会の司会や記録などの業務の合間に、話を聞きながらまとめるのは困難を極めたため、いくつかの発表のみ取り上げさせてもらいたいと思います。

地震関係からは、16-1班 MOEQリスク分析&管理とPDCA入門(第6回):環境保全 「地震について」
(福井厚生病院、パナソニック・エレクトロニックデバイス(株)、福井労働局、福井大学医学部・附属病医院内)
発表の中でもありましたが福井県は大地震が起こる確率は低いといわれているため、地震対策は、特に東海地震の危険性が叫ばれている(叫ばれてきた)東海地方に比べると熱心さにかけるのが現状です。実際に当大学では地震時の対応マニュアルとして患者さんをどうするかというのは考えられてますし、職員の対応マニュアルもありますが、どうも学生さん用のものはないようです。そういった現状を受けて、学生の視点から学生のための災害時の対応マニュアルを作成するという、有る意味ではとても大きな話をしてくれました。現実に福井大学でもそういうものが必要であるのは確かですし(有る程度は準備されているであろうが)、実際作るとなったら学生自身にも加わってもらって災害時の対策プランを作るというのもいいことではないかと思います。彼らの発表内容も踏まえて、対応マニュアルの整備が進むことを期待しています。

地震からみではありますが、原発関係もありました。例年は福井県原子力環境監視センターでの実習もあったのですが、福島への援助のため職員が出払うなどのため、今年は当然のごとく中止となっています。その代わりというわけでもないでしょうが、原発の話題をまとめてくれたのが7班
原子力災害発生時の保健所対応 (嶺南振興局二州健康福祉センター)でした。
タイトルと中身が一致しないのですが、二州健康福祉センターの担当の方が途中で人事異動のため、学生さんにご迷惑をおかけした班のひとつです(他にもいくつか同様の班があります)。そのような逆境の中、今話題になっている原発推進・脱原発の話題についてまとめてくださいました。今回の福島を中心とした原発事故の情報をよく取りまとめてくれたと思いましたが、個人的にもやはり最近情報は集めていたので、私個人は若干食傷気味でした。あまり情報を集めていない学生さんたちにはいい勉強になったんではないかと思います。ただ、議論はやはり紛糾。別に怒号は飛び交いませんでしたが。皆さんの関心の高さがうかがわれます。

介護や福祉といった方面での実習も様々ありました。そのひとつが、茜会における看取りケアの取り組みと現状 (医療法人社団茜会 老人保健施設ディーパあかね)です。
この班ではターミナルケアについての意識調査を、先方、茜会の職員方と学生さんたちにアンケート調査をしていただき、さらに文献的に同様の意識調査を調べて、日本・韓国・フランスと比較を行ってくださいました。それぞれに特徴的な意識の違いを明確にしてくれました。できれば、さらにそれぞれの国の歴史的背景、現状の制度について踏み込めたら、とも思いますが、そこまでするには時間が足りなかったのでしょう。


最後に私が直接指導させていただいた班を紹介しておきます。
17班 レントゲンフィルムの読影訓練ということで、ILO分類に従ってレントゲンの読影訓練をしてもらいました。とはいえ中身は読影だけではなく、じん肺の基礎知識、病態、疫学といった病気についての知識も身につけてもらいます。また予防とそのための粉じん環境測定、職場環境整備といった産業保健としての話も聞いてもらいます。その上、建築現場で石綿の曝露を受けた方の対応をしている健康管理組合、建築組合連合会の方から一般の、非医療職の側の視点からの話も聞いてきてもらいました。さらには最後には感度・特異度という検査の精度の話や、統計学的検定も行ってもらい・・・と盛りだくさんの内容です。この内容すべてが発表に盛り込めるわけもなく・・・結局読影訓練前後での読影能力の変化というところを中心にまとめてもらいました。また班員全員が他の班の質疑応答で手を挙げて質問もしてくださり、指導教官としてありがたく思います。

他にも紹介したい、紹介すべき発表はいくらでもあるのですが、ひとまずこのあたりにしておきます。

全体的には今年の実習発表会は例年に比べてもよかったと思います。発表内容の質もさることながら、質疑応答も活発で、教官一同感心させられました。まだレポートの提出がありますので学生さんたちにはもうひと頑張りしていただきたいです。

たろう

2011年6月15日水曜日

1st AIR Pneumo in Japan

6月1日より日本における初めてのAIR
Pneumoの参加者の募集を開始しています。現在も協力いただいている順天堂大学を代表に、様々な組織、企業、先生方と調整させていただきながら、準備を進めていますが、フィルムや電気容量、部屋のスペースの問題などでいくらでも受け付けるというわけにもいかないため、定員の調整に入っております。当初30人と考えておりましたが、減らさざるを得ないかもしれません。応募状況を見るとそれなりに反響はあり、日本はもとより海外からも問い合わせし、参加を希望してくださる先生もおられて、事務局としてはうれしい限りです。9月2日〜4日の本コースに加えて、前日には日本の先生方を主な対象として基礎コースを行う案も出てきております。ぎりぎりまで粘ってより良い講習会とするべく頑張っていこうと思います。

たろう