さて今回のテーマは金山先生による医師の職業性アレルギーの検討。現代病の代表といってもいいアレルギーは社会の近代化・現代化とともに年々増加しており、その原因についても様々な研究がされていますが、職業によって曝露される物質でもしばしばアレルギーが出ます。今回の研究にも出てきたラテックス(天然ゴム)アレルギーなんかは有名といえば有名で、手術用の手袋に使われているため、患者さんが手術中にアレルギーを起こしたりするリスクになるとかなるとか・・・。わかってしまえばラテックスフリーの手袋を使用してアレルゲンを除去すれば解決する場合もありますが、職業上のものだとなかなか転職もできず・・・ということもありえます。もっとも本来はそういう場合は事業者がきちんと配置転換などの対応をするべきなのですが。
と、それはともかく今回のテーマは医師のアレルギーで、医学生時代のアレルギー歴と、卒後のアレルギーを見ることで、医師が職業的に曝露されることでどうアレルギーが増えるか、という話です。投稿用の論文原稿もほぼ完成しており、研究会での発表ももう何回もあった話なのですが、科学的に証明をしていこうと思うとどうしてもさまざまな観点から解析・検討が必要になるため結構な分量になっていますが、とりあえずまとまったのはめでたいことです。
ちなみに話はアレルギーに戻るんですが、アレルギーの原因として「衛生仮説」というものがあるんですが、それについて「衛生仮説の観点からすると動物とか飼ってた方がアレルギーは減りそうだが、室内犬や猫などを飼っていると喘息が発症する、この矛盾は?」という意見が研究会の中で出ておりました。
「衛生仮説」はまぁ簡単にいえばばい菌いっぱいのところで暮らしていた方がアレルギーはおこらなくなる。現代は綺麗になりすぎたからアレルギーが増えているんだ、という仮説なんですが、確かに室内犬や猫が外からばい菌をいっぱい持ってくるとアレルギーは減る・・・?でも喘息もちの人にはペットは屋外で飼うように、できれば飼わないように、指導します。はてはてこの矛盾は・・・
ということを明らかにしようとすると全く別の研究が必要になりますね。(アレルギーの成立の機序とかの研究が・・・Th1/Th2バランスとか・・・まぁ専門的になるのでそのあたりは割愛)
http://www.nch.go.jp/imal/
このあたりにアレルギー関係の話いろいろのっているので興味ある方は・・・
たろう
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