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2011年7月5日火曜日

6年次疫学演習

今日、明日の午前中は6年生への疫学演習である。例年6年生に対して私が担当していた時間だが、今年は拡充をして、月曜日午前中には梅村、佐藤、木曜日午後には日下、平井と総動員で、国家試験対策的な内容を行っている。その中で私がやるのは疫学指標の計算を実際にしてもらうという内容である。今日のお題は「年齢調整死亡率(直接法・間接法)」と「感度特異度、検査前後確率、尤度比」の2点。感度特異度、検査前後の確率の話は時間が足りなかったため明日にも引き続き話さないといけないかもしれないが、時間が取れるかどうかは不明である。

内容的には4年生のときにも教えている内容なので、またか、と飽き飽きしておられる方もいそうで、毎年恐縮しながら行っているが、例年出してもらう感想は押し並べて好評である。すっかり忘れていたので復習になったというご意見を多数いただくのはありがたい。その他、今日の話について学生さんからいただいたご意見をいくつか紹介させていただく。ついでにそれに対する私のコメントもつけておきます。

「数学が嫌いなせいか、覚えても覚えてもすぐに忘れていく気がします。」
⇒数学嫌いじゃない私もすぐ忘れていきます。毎回授業前に自分で簡単にですが復習して臨みます。

「言葉あそびのようでややこしいです」(他にも言葉、専門用語の点についての同様のご意見あり)
⇒専門用語も飛び交う上にいろいろ私が右から左から上から下から、同じことを様々な角度で表現しているせいもあるのでしょう。でも角度を変えて何度も同じことを言うことでどれかの表現がひっかかってくれると少しわかった気になるんではないかと思い、説明しています。却って混乱を与えていたらもうしわけありません。

「久しぶりに計算問題をといたので楽しかった」
⇒6年生になると計算なんかする機会なくなりますよね。国試の勉強ってなんかひたすら問題解いて解説読んで・・・ばかりですし。たまには気分転換になったなら私もうれしいです。

「計算大変」
⇒まぁ何回も解いてみるしかないと思います。小学校の計算ドリル解く気分で。

「久しぶりに疫学をやってみて知識の整理ができてよかったです。でも、国試にはパニックの中、正しく解く自信がないので、出てほしくないです」
⇒とはいえ、毎年必ず出てるような気が・・・。認定内科医の試験にも出てきますよ、感度特異度のあたりは。それほど複雑な計算はないのでやっぱり練習あるのみです。

「国試前にもう一度復習しなくてはならないと思うと憂鬱です」
「正直言って嫌いな分野ですが、国試でも大事で臨床においても重要なことなので、きっちり勉強しておきたいと思いました。コクシ前にもう一度講義してほしいです」
⇒御希望があれば何度でも教えに行きますので声をおかけください。

「4年生で講義を受けたときよりも分かりやすかったです」
⇒私も毎年少しでもわかりやすいものになるように努力させていただいているつもりです。非常にうれしい言葉ありがとうございます。

「よい復習になった。解説の前に解答を配ってもらった方がよかったと思う」
⇒どっちがいいかなーとは考えたんですが、解答配ると誰も聞いてくれないんじゃないか、聞いてくれないと寂しいな、とちょっと弱気な気持ちに負けてしまいました。でも先に配った方がいい気がしますね。明日はそうします。

「肝がんスクリーニングの例、検査前確率50%は逆に理解に不適切では?(検査陽性も検査陰性も検査前オッズは1、計算は楽だが、概念理解には向かない)」
⇒的確なご意見ありがとうございます。数年前に作った時にそこまで考えて作りませんでした。今度からは再考したいと思います。

「まだ公衆衛生を勉強する気になれません」
⇒講義の時期はカリキュラム全体の中で決まっているもので、ご希望に添えずに申し訳ございません。でも参加していただいた学生さんたちには無駄な時間にならないように内容など配慮はしているつもりです。自分で学習されるときの足しにもなると思いますので是非ご参加ください。

2011年7月2日土曜日

実習発表会

昨日、7月1日には実習発表会がありました。

今年は震災の影響もあり、様々なイレギュラーなことがあったため、学生さんたちにも多々不自由をおかけしたのですが、発表会ではそのようなトラブルを乗り越えて、どの班もよい発表をしてくださったと思います。

本当は今年もすべての班を取り上げたかったのですが、さすがに実習発表会の司会や記録などの業務の合間に、話を聞きながらまとめるのは困難を極めたため、いくつかの発表のみ取り上げさせてもらいたいと思います。

地震関係からは、16-1班 MOEQリスク分析&管理とPDCA入門(第6回):環境保全 「地震について」
(福井厚生病院、パナソニック・エレクトロニックデバイス(株)、福井労働局、福井大学医学部・附属病医院内)
発表の中でもありましたが福井県は大地震が起こる確率は低いといわれているため、地震対策は、特に東海地震の危険性が叫ばれている(叫ばれてきた)東海地方に比べると熱心さにかけるのが現状です。実際に当大学では地震時の対応マニュアルとして患者さんをどうするかというのは考えられてますし、職員の対応マニュアルもありますが、どうも学生さん用のものはないようです。そういった現状を受けて、学生の視点から学生のための災害時の対応マニュアルを作成するという、有る意味ではとても大きな話をしてくれました。現実に福井大学でもそういうものが必要であるのは確かですし(有る程度は準備されているであろうが)、実際作るとなったら学生自身にも加わってもらって災害時の対策プランを作るというのもいいことではないかと思います。彼らの発表内容も踏まえて、対応マニュアルの整備が進むことを期待しています。

地震からみではありますが、原発関係もありました。例年は福井県原子力環境監視センターでの実習もあったのですが、福島への援助のため職員が出払うなどのため、今年は当然のごとく中止となっています。その代わりというわけでもないでしょうが、原発の話題をまとめてくれたのが7班
原子力災害発生時の保健所対応 (嶺南振興局二州健康福祉センター)でした。
タイトルと中身が一致しないのですが、二州健康福祉センターの担当の方が途中で人事異動のため、学生さんにご迷惑をおかけした班のひとつです(他にもいくつか同様の班があります)。そのような逆境の中、今話題になっている原発推進・脱原発の話題についてまとめてくださいました。今回の福島を中心とした原発事故の情報をよく取りまとめてくれたと思いましたが、個人的にもやはり最近情報は集めていたので、私個人は若干食傷気味でした。あまり情報を集めていない学生さんたちにはいい勉強になったんではないかと思います。ただ、議論はやはり紛糾。別に怒号は飛び交いませんでしたが。皆さんの関心の高さがうかがわれます。

介護や福祉といった方面での実習も様々ありました。そのひとつが、茜会における看取りケアの取り組みと現状 (医療法人社団茜会 老人保健施設ディーパあかね)です。
この班ではターミナルケアについての意識調査を、先方、茜会の職員方と学生さんたちにアンケート調査をしていただき、さらに文献的に同様の意識調査を調べて、日本・韓国・フランスと比較を行ってくださいました。それぞれに特徴的な意識の違いを明確にしてくれました。できれば、さらにそれぞれの国の歴史的背景、現状の制度について踏み込めたら、とも思いますが、そこまでするには時間が足りなかったのでしょう。


最後に私が直接指導させていただいた班を紹介しておきます。
17班 レントゲンフィルムの読影訓練ということで、ILO分類に従ってレントゲンの読影訓練をしてもらいました。とはいえ中身は読影だけではなく、じん肺の基礎知識、病態、疫学といった病気についての知識も身につけてもらいます。また予防とそのための粉じん環境測定、職場環境整備といった産業保健としての話も聞いてもらいます。その上、建築現場で石綿の曝露を受けた方の対応をしている健康管理組合、建築組合連合会の方から一般の、非医療職の側の視点からの話も聞いてきてもらいました。さらには最後には感度・特異度という検査の精度の話や、統計学的検定も行ってもらい・・・と盛りだくさんの内容です。この内容すべてが発表に盛り込めるわけもなく・・・結局読影訓練前後での読影能力の変化というところを中心にまとめてもらいました。また班員全員が他の班の質疑応答で手を挙げて質問もしてくださり、指導教官としてありがたく思います。

他にも紹介したい、紹介すべき発表はいくらでもあるのですが、ひとまずこのあたりにしておきます。

全体的には今年の実習発表会は例年に比べてもよかったと思います。発表内容の質もさることながら、質疑応答も活発で、教官一同感心させられました。まだレポートの提出がありますので学生さんたちにはもうひと頑張りしていただきたいです。

たろう

2010年12月10日金曜日

医系技官の道に関心のある方へ

本日は予告通り昼食会「医系技官の道に関心のある方へ」を執り行わせていただきました

現在厚生労働省から福井県に出向しておられる一戸先生と福井大学の出身で小児科医から国際協力という経歴を経て現在故郷若狭に帰ってきて保健所長をしておられる四方先生、そして福井県の地域福祉課の柿木課長さんの3名を交えて学生さん(医学科4年生)12名とともにお昼ごはんを食べながら非常にフレンドリーかつ楽しく交流できたと思います。
なかなか普通は話題にしづらいこと、勤務状況の実際や、給料のことなど卑俗なことも忌憚なく答えていただくとともに、行政の側としての仕事への熱い想いもきちんと伝えていただきました。
現在福井大学出身の医系技官は一人もおらず、福井県内の医官も不足している状態です。医師不足、医療崩壊の話は臨床だけではないのが現実で、改善のためにも行政の側で頑張ってくださる医系技官の方々も必要になってきます。今回の昼食会を契機に、日本全体、そして福井県のためにも行政に興味をもつ医師が少しでも増えてくれることを期待しています。

たろう

2010年12月3日金曜日

予告:医系技官の道に関心のある方へ

医学生の進む道というのは圧倒的に臨床医が大多数なわけですがその他にも様々な進路があります。研究の道に進む人もいますし、医系技官として行政の道に進む人たちもいます。とはいえやっぱり圧倒的少数派な臨床医以外の道、臨床の方でも医師不足が叫ばれ医療崩壊が言われておりますが、医系技官、保健医療行政の場でも医師不足は深刻です。ということで医系技官、保健医療行政に少しでも興味を持っている医学生・医師に向けて説明会を予定しています。本音で話せる場にしたいと思っておりますので普段聞けないこと聞きづらいこともどんどん聞いてもらいたいと思っていますので後日ここでの報告には書けないような話になることを少し期待しております。

たろう

2010年11月11日木曜日

2010年10月29日 講義資料追加~演習問題回答

前回の講義の時演習問題ということでいくつか問題をプリントに出させてもらったが、計算そのものは小学生レベルの問題なので、大学生にさせるのも失礼と思い割愛したが、回答を用意しないのも、これはまた失礼なことだし、学生さんたちより強い要望(?)があったので回答を用意しました。
人年法を使った有病率・罹患率・死亡率と、年齢による死亡率の標準化についての演習問題と、コホート研究と症例対照研究におけるリスクの評価についてです。



2010年11月12日1限 講義資料

2010年6月27日日曜日

実習発表会 Part7 発表順18−20まで

ちょっと遅くなってしまったが実習発表会の最後の三つについて

一つは医学生のアレルギー実態調査。食事や生活状況とアレルギーの関係についてパッチテストを行い解析してくれた。どうも今年のデータを解析した結果「朝ご飯を食べている人」に多いアレルギーがあったようで、本来健康習慣である朝食の摂取が悪影響を及ぼすのか、みたいな話になっておりました。さて、報告書としてまとまるときにはどのように結論付けられるか、楽しみなところです。

二つ目はレントゲン読影実習ということで、私が直接指導していた斑です。じん肺の歴史・病理・疫学・治療・法規とともに、実際の粉じん管理の現場や、石綿の使用状況、じん肺検診の現場なども見てもらい、その上でレントゲンの読影について学んでもらい、学習前後でじん肺の読影試験をしてみて、その結果解析も統計学的に行ってみようと言う盛りだくさんの内容だったのですが、その中でポイントだけを抽出してまとめてもらいました。それなりに綺麗にまとめてくれたとは思うのですが・・・発表にまとめなかった部分についてはあまり頭の中には入らなかったようで、指導力不足を今年も痛感しました。

三つめはアジアじん肺読影医養成コース(AIR Pneumo)入門ということで、当教室の大学院周先生の元、やはりじん肺をキーワードにじん肺のもろもろと読影訓練とレントゲン読影能力を評価してくださってました。また「アジア」のキーワードの元アジアを中心とした海外のじん肺の状況についてもよく勉強してくれていました。

ということでとりあえず、発表会は終わり、後は報告書の作成です。

2010年6月25日金曜日

実習発表会 Part6 発表順15−17まで

介護の現場でのインシデント対策の発表をしていただいた。ヒヤリハットと称される事故(未然に防がれた事故)の中に含まれている危機的な事故の原因を抽出して対策を練っていくのだが、やはり介護の現場ということで転倒・転落が最多ということであった。転倒転落は医療介護の現場で確かにしばしば問題になっており、様々な対策が練られているが、QOLや機能維持が叫ばれる中で、体を動かしながら、転ぶのは防ぐというのは非常に難しいことだと痛感する話は頻繁にある。

次に医療現場でのオカレンス対策についての発表。用語の微妙な差異はあるが大枠では上記のインシデント対策と似たような話になってくる。この中では当大学病院での対策を中心にRCA(根本原因分析)の詳細とともに、リスク管理上大切なヒューマンエラーと、個人責任を追及しないというスタンスについても話してもらえて、前段の話とも絡めて学習効果の高いものとなっていたと思われる。

新しい産業医学入門ということで、これから先の産業医学を考える視点で、現状の産業医学の現場を学んでいただき、また当福井大学松岡キャンパスの健診データを使って解析なども行っていただいた。

実習発表会 Part5 発表順12−14まで

このパートから役目の関係上簡素なものになってしまったのをご容赦いただきたい。
介護予防事業の意義についての話。治療から予防への流れの中で高齢者の疾病について予防が大事とされ、介護予防を行うべく、地域では様々な対策を練っている。その中身について体験学習し、その支えとなるべく地域住民として何が必要になるか、また将来医師になる中で何を理解しないといけないか学んでもらえたと思う。

リハビリ慢性期病院の実情に関して、現場の福井リハビリテーション病院で学習してもらった。リハビリは急性期から在宅の架け橋になるところであるが、かけ橋であればこそ板挟みにもなりやすい場所ではないかと思う。その中でどのように日々頑張っておられるのか理解してもらえたなら何よりである。

院内感染対策についての概要を発表していただいた。当大学とその他の病院と比較して院内感染症対策マニュアルの比較検討などされ、院内感染対策がどのように行われているかがよくわかるものにまとめてもらえたと思う。レポート(報告書)には実態としてどのような感染症の発生があるのかも盛り込んでもらえるとのことで期待している。

実習発表会 Part4 発表順9−11まで

在宅医療の普及のために福井県坂井地区で行われている坂井在宅ケアネットの話をもとに在宅医療について考え発表してくれた。想像するだけでも在宅医療は非常に難しいというのは簡単にわかることなのだが、それをどのように実現するのか、現場では様々な知恵と努力が出されている。その中でケアマネージャーの重要性についても述べてくださっていたが、確かに現場でケアマネージャーなどの医療と福祉のかけ橋をしてくださるスタッフの重要性は痛感することしきりである。「全人的医療」が大事さは言うまでもなく、当大学でも「病を見ず人を見よ」という言葉も掲げられているが、複雑化した医療・医学はその中ですら細分化が進んできている現状で、医師も人間であり、本当にその人の「すべて」を見ることは難しいのではないだろうか。そのような現状の中でケアマネージャーや病院の地域連携士などの役割は確かに大きく、私自身も外来での治療の上でキーパーソンの一人として家の問題やお金の問題といった際限のない話に付き合い、対応してもらったこともある。
チーム医療と言われて久しいが、医療のみならない患者さんの周辺をチーム化して問題にあたらせていく、そういう役割の人物が必要とされている中、今その重責を担っている方たちに敬意を表するとともに、今後につながっていくことを祈る次第です。

在宅医療第二弾。在宅医療にかかわる人たちへのアンケートを行い問題点を考えてくれている。サービスを提供する側とサービスを提供される側それぞれの比較を行ってくれた。同じサービス供給側であったとしても各立場によってやはり問題とする視点に違いが出てくる。医師不足の問題ともに、大学における在宅医療教育の必要性に言及されるなど、立場上若干耳が痛いところもあったが、どのように対応するか、本来は大学全体としても考えるべきことである。総合診療・在宅医療については総合診療部も頑張ってくれているのだが、当然教育には学生の方にも大きな要因となるので、この実習を機会に学生さんたちの意識を喚起することで、総合診療部への援護射撃となれば幸いです。

精神保健福祉に関する実習。精神障害者に対する制度や現状について学ぶとともに、今問題となっているものを考察してくれていた。個人情報保護法についての問題も出てきていたのだが法律は専門外なのでよくわからないのだが、ちょうど法律導入時には大学も卒業していたため、現場で導入時のことを見ていたが、正直、個人情報保護法以前から医師には守秘義務があったはずであるし、その意味では法律でとやかくいわれる以上の個人情報保護意識を持っていないといけなかったはずではないかと思う。情報提供の可否のときに必ず出てくる個人情報保護法なのだが、医師が社会的ステータスであるのなら、法律の字面に左右されるというのもなんとなく格好の悪いことである。

実習発表会 Part3 発表順7−8まで

古い「医食同源」から新しい「生活習慣病」まで食事と健康の問題は今も昔も切っても切れない関係である。この班では健康診断結果と食生活アンケートについて相関関係(関連の有無)や地域ごとでの比較検討を行ってくれた。古典的かつ現代まで続く食と健康の問題、世間一般で言われていること、常識的と思われていることでも、なかなか結果がきれいに出なかったりもするのだが、出ないなら出ないとして、なぜ出てないのか、研究プランに問題はないのかなどの検討も大事である。

特定検診、特定保健指導の話第2段。有名な「腹囲」が含まれた診断基準に関する疑問点の検討、そして今進行している国内外で進んでいるメタボリックシンドロームに関する診断基準の改定の動向まで学習してもらったようである。ある時点での基準、常識は将来にどうなっているかはわからない。そういう意味で今後どうするべきかについて、新たな基準を想定して検討してくれたなかなか有意義な発表だったのではないだろうか。

実習発表会 Part2 発表順4−6まで

インフルエンザ第2段。微生物学の矢野先生にご指導いただいた新型インフルエンザに対する対応・対策の現状の話。去年の話題は新型インフルエンザ一色であったがそのころどのような対策がなされていたのかについて発表してくださった。各機関で対応がどのようになされたのか、総括的な話がよく理解できたのではないだろうか。市中病院でのインタビューについては私が相談に乗ればよかったかもしれない。

保健所における原因不明の危機管理に関してという発表で、どのような問題でもはじめは原因不明であり、原因がわかってしまえば対応は決まってくる。そういう前段階の原因不明段階でどのように対応する戦略が練られているかを学習してもらう意欲的な内容の一つ。実際の現場で初めには原因などわかっていないことのほうが多いので、そういうときにどういった対応をするべきかは将来医師として現場で原因不明の事態に遭遇する可能性の十分にある医学生には貴重な体験となったのではないだろうか。ただ原因追求の想定事例が若干発生地図上の分布に偏っていたのが気になったことだろうか。むろんジョン・スノー以来地図上での分布をみるのは疫学の大事な基本的アプローチではあるのだが。

メタボリックシンドロームを代表とする職場における健康管理についての発表。医療費削減という視点も絡んで厳しくなってきているメタボリックシンドロームの話なのだが、特定健康診断の受診率が低い現状に対し、いかに対策を行うかについて考えてくださったようだ。コストやマンパワーが限られる中、どのような対策を練るのかは難しいところである。

実習発表会 Part1 発表順1−3まで

福井県衛生環境研究センターのご指導によりNOx,SOxによる大気汚染の評価とBOD,COD,TOCによる水質汚濁の評価について学習するとともに実際に体験してもらい発表された。どのような調査でもまず丹念な基礎調査が大事であることを理解していただけたようである。

福井県原子力環境監視センター
多数の原子力発電所のある福井県ならではの実習の一つだと思われる。原子力発電所を安全に運営するために、そして万が一トラブルが起こったときのためにどのような準備対策が練られているかを理解してもらえたのではないだろうか


本年のトピック、新型インフルエンザの第一弾として福井県衛生環境研究センターでインフルエンザの分離同定の話を勉強の上発表がなされていた。インフルエンザウイルスの基礎知識から遺伝子検査の基礎知識まで、分子生物学や微生物学でも学習している(学習する)はずの話であるが、それらが実際にどういうところでどのように行われているのか体験できたことは有意義であったと思いたい。こういった知識をベースの集積の中で疫学の話がどのように絡んでいるかというところまでは発表では踏み込まれていなかったが、発表時間の限界もあり、すべては話せないので仕方がないというとろか・・

2010年6月11日金曜日

第2回環境美化運動

またもや先週の話で申し訳ないが、今年度の第2回の環境美化運動が6月4日に行われた。この時期の環境美化活動には実習中の医学科4年生たちにも毎年参加してもらっている。個人的には強制的にゴミ拾いに参加というのもあまり好きではないのだが、まぁ時にはゴミ拾いをして自らの大学の実情を知ってもらうのも大事だし、よい機会である。6年通して4年生の時に1回だけなら頻度としても少ないし許容範囲内だろう。
ということで私の実習班の皆さんにも盛り上がる中議論を打ち切らせてもらい、参加してもらいました。

2010年6月9日水曜日

レントゲン読影実習近況

この時期は金曜日は毎週学生の実習ということで、先週の金曜日も学生実習をした。実質私が見ている班は一つだけなのでどうしてもその班の話になりがちであるが、わが班は以前にも記載したように「レントゲンの読影実習」ということで、じん肺のレントゲン写真の読影について勉強してもらっている。同時にじん肺という病気(おもにフォーカスは珪肺と石綿肺)についても勉強してもらっているが、今年度は5月末の学会の影響で、なかなか時間が厳しかった。先週ようやく本格的にレントゲンの読影に入っていくことができた。3人ひと組で相談しながら読影してもらい、その後読影結果とレントゲンの所見について討論をする。できれば多くのレントゲンを読み、たくさんディスカッションしたいのだが・・・よく予定を見ると読影練習に使えるのは後は今週末の半日のみ。6月の最終週が発表会だったはずなので、来週はもう発表の準備に当てないといけない。本当に今年の実習はあっという間である。

たろう

2010年5月8日土曜日

2010年度実習初日(第19班)

昨日は医学科4年生の実習初日でした。私の担当班はレントゲンの読影実習ということで、じん肺のレントゲンを学生のみなさんに読影してもらうのですが、例年それほどきちんとしたレントゲンの読影については未修の時期なので、ほとんどゼロからのスタートのつもりで予定を考えています。本来レントゲンの読影については放射線科の先生にきちんとした講義をしてもらうのが良いのですが、そのためだけに御足労願うわけにもいきませんし、自前でレントゲン読影の基礎から初めています。ただ今年は諸般の事情から、初日のスケジュールがいっぱいいっぱいで、わずか3コマ(90分×3=270分)でレントゲン読影のいろはからじん肺の分類基準とその実践まで駆け抜けるというハードスケジュールでした。午前中9時から12時だけで総ページ数200ページのスライドショーの閲覧で、その中で座学の部分を全部終わらせ(レントゲン読影〜じん肺の分類基準まで)、正直話す私も疲れないわけではないんですが、これ聴き続けるのもかなり大変なはず。でも6人中2名はちゃんと最後までずっと聞いてくださいましたし、まぁ一番大事だと思われるレントゲン画像のところはみなさんだいたい見てくれてた感じでした。その後午後はじん肺の標準写真(計22枚)を見た後、最後に1例読影してもらうという一日で本当に多分おなかいっぱいだと思われます。
ちなみに教材は先日のILO/KOSHA WorkshopでのJ.E.Parker先生の内容、K.G.Hering先生の内容、先日解説したAIR Pneumoの内容などを活用しながら作らせていただきました。
ネタをいただいた先生方とともに、頑張ってお付き合いただいた我が実習班の学生たちにも感謝しております。

たろう

2010年4月30日金曜日

環境保健学実習前講義

先日の日記でも書いたとおり、今年の環境保健学の実習が始まっています。今週は実習前講義ということで、1コマ目に日下教授より総論、2コマ目に様々なテーマに分かれ各論の講義を受けてもらいました。これはカリキュラムの都合上、前期に実習、後期に講義となってしまっているため、全く環境保健学の基礎知識なしで実習に送り出すのは問題であるために、毎年行っている講義だ。
私、田村が担当させてもらったのは「衛生環境研究センター」「原子力環境監視センター」「感染症」「じん肺」などのグループと幅広いものとなっていて、細かい話を始めたら終わらないだろうな、と思いつつ、用意したプレゼンのファイルを診ると、スライド枚数100枚!時間が60分では終わるはずもない。案の定各施設の説明はできませんでしたが、まぁ概要は理解してもらえ・・・・てるといいんですが。

さて、前回は原子力環境監視センターグループの話をしましたが、今日はAIR Pneumoの話でも。当教室の大学院生周先生が行われるAIR Pneumo入門の実習。このAIR Pneumoという言葉は当教室日下教授を筆頭に行われているILO国際じん肺分類の読影訓練コースの愛称で、正式名称を"Asian Intensive Reader of Pneumosoniosis"といいます。2008年12月に第1回のパイロットコースが開かれて、それには田村や周も参加しておりました。その後昨年2009年8月にブラジルの読影講習会にも協力した後、今年は12月に第2回のパイロットコースをタイで行う予定です。下の画像が第1回AIR Pneumoのときのチラシ。


日本でもまだじん肺はなくなったわけでもないですし、世界的にはまだまだじん肺は生じてきています。その原因となるケイ酸は自然界にいくらでもあるのですが、粉じん曝露を防ぐことで予防もできる疾患であるため、労働衛生管理の基礎的かつ伝統的な疾患でもあります。現在WHO/ILOによりGPESということで世界からじん肺を撲滅しようと運動が行われていますが、そのための基本的ツールとしてあるのがILO国際塵肺分類です。このじん肺分類により、じん肺のスクリーニング・サーベイランスが行われることが重要で、それにより国際的にも比較可能となりますし、そういった疾患の発生状況の集計が予防にも生きてきます。
またじん肺にはがんや結核の合併があり、その他鑑別疾患として、石綿肺と間質性肺炎などの違いなど学ぶべき内容は少なくありません。じん肺読影の中で一般レントゲン読影能力も磨けます。じん肺レントゲンの読影訓練コースという意味ではアメリカNIOSHのBリーダーが世界的に有名ですが、それのアジア版を目指してAIR Pneumoは開発されています。
正規のAIR Pneumoは産業医などをターゲットにしていますが、学生用に調整したコースをAIR Pneumo開発にも多分に尽力した周先生が提供してくれるこの実習班。じん肺や産業衛生管理のことも含めて、学んでほしいと思います。
AIR Pneumoの詳細が知りたい人は下のバナーからAIR Pneumoのページへ・・・・(英語ですが)



たろう

2010年4月26日月曜日

2010年度実習開始

先週金曜日、4月23日より本年度の学生実習が始まりました。最初はまずオリエンテーションと実習グループのグループ分けを行いました。今年は全部で20班に分かれ、環境保健学の幅広い領域を様々な側面から学んでもらって、最後にはそれぞれの学んだことを共有する発表会を行った上でレポートにまとめるところまで。7月までかけての期間、私も塵肺レントゲンの読影を中心に学生6人を指導することになります。そのほかにも外部の先生方、保健所や研究機関、また学内でも他教室の先生に指導していただく班もあります。
その中で一つ取り上げるとすれば、やはり福井といえば原子力発電所。福井県原子力環境監視センターの協力のもと、原子力発電所と放射線の話も毎年取り扱っています。やはり原子力関係の話というのは、福井大学だからできること、であると同時に福井大学としてやるべきこと、であります。学生は敦賀までの往復が必要であり、遠方へいってもらう大変な実習で、移動に関するサポートも十分にできているかといわれると・・・若干心苦しいですが、福井大学環境保健学教室を名乗る以上欠かすことのできない実習ですので、頑張っていただきたいと思います。

しかし・・・どうも更新が滞りがちですがご容赦ください

たろう